銀翼。 |
茜色が彼方になり 空の覆いをスミレ色から徐々に群青が支配し始めるとき 黒々と佇立したビル群は さながら魔王が棲むという城のように見える。
そのビルとビルの狭間から ギラリと鋭い銀色の光がきらめいた。 37度に傾かせた機体をゆっくりと旋回させながら 羽田へのアプローチを行うジャンボ。 その銀翼に夕日が反射した光だった。
夕日の最後の光が JTBビルの頭上をゆっくりと行き過ぎると 辺りには闇の帷が少しずつ降りてくる。
星とビルと街灯のちらつきの向こうに か細い航空灯が明滅している。 またジャンボが降りてくる。
天王洲。
16時23分。
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2005年01月05日(水)
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