あお日記

2002年11月29日(金) ドライブ

 時期は前後するが、高校を卒業して数ヶ月たってから免許を取得したラザの運転で、ミルと私と3人で時折深夜のドライブに出かけたものだった。今思うと大抵が南に向かって繰り出しており、たまに浮気をして山方面に繰り出して中央高速を走行中に大雨に降られてマジで恐い思いをしたことを憶えている。

 申し合わせをした訳ではないが、これといって目的地を設定せずに車を転がしても、行き着く先はだいたい横浜だった。それは近い過去に我々がやり残したことを確認するような、自分に対する悔恨と、意思に関係なく流れていく周囲の時間に対応しきれないで戸惑っている若かりし頃の我々、その正直な姿だったのだろう。横浜という名と土地の持つ風が変化した訳ではないのに、電撃的に去っていったいっちゃんの存在が我々をその地に縛りつけたという物言いがあながち間違っているとは言い切れない。少なくともその蜜月が永遠に続くと勘違いしていた私は、彼女という個人が去った衝撃を一般的な人間に対する厭世観に結びつけることくらいしかできないまま、そうなったことの理由に興味が向くこともなく依然として高校時代に立ち止まった場所から動けずにいた。


 そういった具合のドライブも1年余りが過ぎ、そしてラザがいっちゃんから手を引いたと同時になくなっていった。その後もラザからは不定期に連絡があって周さんなどと一緒に外へ繰り出す誘いを受けたが、ことごとく私は断ったと思う。記憶の中にその理由を定める術はないが、いよいよもって私はそういう時期に差しかかってきたことは確かだった。それはこの時期の友人たちの記憶が極めて薄いという当時の自分の状況を現す何よりの証拠だ。



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