あお日記

2002年11月25日(月) ミルの憂鬱


 徐々に交友の幅が狭くなった私があえて連絡を取って会っていたのが高3の頃同じクラスになった写真部のミルだった。ウマが合うというよりも当時の私が持っていた考え方と似たことを感じている彼とは話が通じ合いやすかったのだろう。もちろんその全てを受け入れたわけではないが、他の友人たちに比べれば当時は気楽に会える人間だったことは確かだ。それはきっとお互いが生きることに対して無責任だったという共通項に拠るものだろう、残念ながら。
 ミルは物知りで、私の知的好奇心を十分満たしてくれる存在でもあった。その点では周さんと似たような点もあったのだろうが、この頃の私はまだ周さんと懇意になるような心境ではなかった。おそらく彼は私のそういった一線を引く態度を知っていたのだろう。彼もまた他の人間たちと同様に私の扉が開くのを気長に待っていてくれた友人の一人だ。「熱く語り合う」そういった言葉を数えるほどの会う機会のたびに言われたことを覚えている。

 未成年最後の夏になるこの年も七夕祭りに行った以外は何事もなく過ぎていこうとしていた。水面下ではハマちゃんとミルのちょっとしたバトルがあったらしいのだが詳しくは憶えていない。思えば周囲の状況に疎い無邪気なハマちゃんが、彼女なりに大人への扉を開けた時期だったのかもしれない。理由は忘れたが、彼女がミルを責めるような態度を見せたことを私はとても不愉快に感じたのだった。それ以上に私は彼女に対して持っていた裏腹な期待感と不信感が訳も分からず自分の心の内で留めておけなくなった。勢い余った私は秋口になって2学期が始まった頃、ハマちゃんにアポを取って話をすることにした。

 ここまで自分本位な思考の導き方では恋愛のひとつもできなくて当然か(笑)。



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