道化者の憂鬱...紫(ユカリ)

 

 

終わらない唄 - 2003年08月17日(日)

夜の住宅街

約束と違う話。

金を貸した男にうんざりとした顔をみせつけられる。
そのくせ懇願の顔も見せつけやがる。
夜の住宅街でわざと大声でする様な会話ではない。

「ちょっと非常識なんじゃないですか?」

「はぁ?ヒ ジ ョ ウ シ キ ?」


誰が?誰が?誰が?

ねぇ、誰が誰が?誰が?

私が?!私が?!私が?!
あはは私が?私が?あははは

思考がメーリーゴーランドの様に
くるくる回る。
私はそれでも大声で言い続ける
壊れた人形の様にずっと・・・ずっと・・・。

相手が凄んできた。

だから何だというのだろうか。
全然怖くなかった。

「いい加減にしてくれ!」と一喝されて
首を絞められる。

いっその事
そのまま殺してくれれば良かったのに。

そうすれば、ヤツは犯罪者になれたのにね。

夜の住宅街
壊れた人形の口から大きい声で発する罵倒
住宅街に気持ちよく響く罵倒。
綺麗な唄をうたっているように。

どこまでもどこまでも続く
終わりの見えない暗闇。

静かな住宅街。


-




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home

エンピツ