道化者の憂鬱...紫(ユカリ)

 

 

クソスマスプレゼント - 2002年12月26日(木)

電話が鳴る。
電話番号だけが表示されている。
という事は私が登録していない番号だ。
誰なんだろう。
「あ、もしもし柚子?オレ。今度さ東京本社に
なったからさぁ」
「は?だから、今更、何だって言うの。」
電話の声は紛れも無く名古屋の男でした。
私はかなりうろたえていました。
相手が話し出そうとする所で目が覚めた。
夢を見たのです。
あまりにもリアルだったので、寝ぼけていたのか
なぁとか思ったけれど、本当にただの夢でした。


今日もヒロとご飯を食べに行った。

「昨日もご飯一緒に食べたから、今日は止めようよ。」

という私を無視して、待ち合わせの時間と場所を指定
されてしまった。時間厳守!と珍しく言う彼の言葉のままに
再放送の「高校教師」を振り切って、時間きっかりに
待ち合わせ場所に行った。
きっと、昨日のプレゼントの事を気にしてしまったから
今日もご飯なんだろうか?
そんな事を考えて階段を上がった。

が、時間厳守と言っていた本人は何処にも見あたらず、
電話したら30分遅れるらしい事が判明。
こんな事なら「高校教師」見てから来れば良かったと後悔。

そして待つ事30分。
彼はやって来た。


「今日、待ち合わせに遅れてしまったのには、訳があったんだよ。」


そう言ってちょっぴり照れくさそうに、鞄の中をごそごそ
探り、白い紙袋を取り出した。
横目でちらちらと見つつ、私は密かに期待していた。
待ち合わせもファッションビルだったので期待していた。
しかも遅刻して、そのビルから出てきたから更に期待していた。

「はい。これ昨日のお返し。」

得意満面の笑みで、白い紙袋を私にくれた。
私は、本当にドキドキしながら受け取った。
しかも、とても嬉しかった。
思わず顔がニヤつく位に嬉しかった。


が、嬉しかったのは、ほんのつかの間で嫌な予感がした。


なぜなら紙袋に「石丸電気」とプリントされていたからだ。

もしや・・・。


期待は裏切られなかった。
出てきたのは、「マウス」だった。
何故、クリスマスに「マウス」なんだろう?
よく解らない。さっぱり解らない。
これなら、まだミッキーマウスの方が100倍嬉しい。
しかもご丁寧に値段が付いていた。
3820円。

しばし硬直していた私に彼は言った。

「凄いでしょう?光学マウスなんだよ。しかもスクロール付き
これでマックも使いやすくなるねぇ。」
めちゃめちゃ笑顔だった。

「光学マウス」が「高額マウス」と頭の中で踊った。

でも3820円。
やっぱりミッキーマウスの方が嬉しい。
高額ミッキーの方がいい。100倍イイ!


「あ・・ありがとう。でもこの店狭いから帰りまで持ってて」


「うん。いいよ。」


そのまま「マウス」は千葉県柏市まで連れて行かれてしまいました。
浦安だったらバッチリだったんだけどね。



やっぱりムードもロマンティックも無縁だけあるよなぁ。
さすがヒロ君!



















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