道化者の憂鬱...紫(ユカリ)

 

 

デート - 2002年06月25日(火)

早い時間からアノヒトに会うのは初めてだ。

念入りに化粧をして、早めに新宿に向かう。
嬉しくて仕方ないのに、敬語で話してしまうのは
どうしてなんだろう。

串焼きを食べて、飲んで、少しだけ酔って
傘に入れてもらう。
受け入れて貰えて無かったらどうしようと思いながら
腕に手を回して、拒絶されなかったことにホッとする。
背の高いアノヒトと腕をくむのは、初めてでなんだかぶら下がってる
みたいな妙な気分だった。

新宿は韓国戦の歓声が凄かった。
ホテルの部屋まで聞こえてくる。
笑いながらテレビをつけて、ドイツを応援する。
こういう他愛もないことがしたかった。

アタシ達はこんなに好きなのに、お互いが気を使いすぎる。
そして、受け入れて貰えないんだと思って、壁を作っている。

それでも、温かいタイオンは本物で、柔らかいクチビルも
甘いダエキも全部が本当に好きなんだと、訴えている。
ソレなのに、アタシ達は嫌われたらどうしようという壁を
作って、ワガママすら言えない。

次に会う約束も出来ないまま
セックスもしないまま
お別れです。

でも、セックスが全てじゃないと思っているから
アナタが、アタシを「食べちゃいたい」と言って
囓った傷跡が、アタシにとってのセックスだと思ってます。

傷が消えないうちに、また遊んでね。



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