2002年05月16日(木) |
「狼と7匹のこやぎ」の悪い人 |
●こどもにんぎょう劇場「狼と7匹のこやぎ」 ちょっと前まで「本当は怖いグリム童話」みたいなの流行ってましたね。 そう、童話って怖いんです。不条理なんです。 昔話ではいつも継母が悪役ですが、あれなんかも本当は母親なんですってね。 ただ鬼ケ島に住んでるだけで悪い事してない鬼のとこへ いきなり押し入って乱暴狼藉のうえ、宝物を奪って帰る桃太郎とかね。
これもそうですよ、「狼と7匹のこやぎ」。 狼さんが小ヤギを食うのは自然の摂理じゃないか。別に悪くないじゃないか。 いや、それを言ったらはじまらないので百歩譲るとして。
戻ってきたお母さんヤギと助かった7番目のこやぎは まるのみにされた子ヤギがまだ生きてると知ると助け出す。 メデタシメデタシ。 …とはならない。
「悪い狼をこらしめてやりましょう!」とかいって腹いっぱいに 石ころ詰めちゃう。報復手段に打って出たか。まぁ、それもよし。 「狼が起きたらどうするか隠れて見てようよ!」 アンタら、性格悪すぎです。
そんで、重い腹抱えて水飲みにいって見事しずんじゃった狼さんを ヤツらは歓声あげて笑いながら見てるんです。怖っ。 「こらしめる」ってレベルですか、これ。 あわれオオカミさよ〜なら〜(ToT)/~~~
そういえば、童謡も結構不条理です。
キリンさんキリンさんどうして〜お首がな〜がいの〜♪ あっちの野原も見たいしこっちの野原も見たいし だから〜お首が〜ながいのよ〜♪
ちがうじゃんっ! キリンさんは生き抜くために他の動物の届かない高い場所の草を 食えるよう首がのびたのだ。もっとシビアな理由だったはずだ。 ウソ教えちゃだめでしょ。
それならばむしろ 「どーしてなーのかーだーれもしーらなーい♪」と無責任に言い切るとか 「そーよかーさんもなーがいのよー♪」とさりげに話題をそらすとか の方が良心的と思われます。
私が高校の時の国語のセンセが、東京電力のアナグマのCMを見て 「子供の「どうして?」をファンタジーにしてはイカン」と言うてたな…。
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