昨日(11月22日)、川崎市と第19回目の交渉を行いました。 市側は参画室と人事課のそれぞれ課長を含めた5名でした。 こちらは12名。
議題は、 1.「準会員」発言の説明 2.東京都で認められている職務が川崎で制限されている理由 3.制限されている職務182が192に増えた理由 4.全人事課課長の「運用規程」を見直すという前向きな発言が 無視された理由 5.その他
以下、話し合われた内容 1.「準会員」発言の趣旨は、参画室の高村課長によると、実際の川崎市における差別の現実に対して、「会員」「準会員」と表現した、という説明でした。私たちは、それは阿部市長の「正論」で話した趣旨ではない、彼は国家の本質は「戦争をする単位」であり、地方自治体はは国権の一部を担い、日本国籍をもつ者と外国人が、権利義務において区別があるのは当然と断定している、と反論し、市長との面談を要求しました。 阿部市長が、いざという場合に戦争に参加しない外国人は「準会員」という脈略で話しているのは明かで、有事の際には市民の財産を提供させるという国策に順ずる協力体制が既に作られているという現実と、改憲論者の市長の思想が「準会員」発言になっていると指摘しました。
2.3.に関しては、他の地方自治体がどのような対応をとろうとも、川崎市は独自の「公権力の行使」の解釈によって職務を振り分けたので、それを遵守するという頑なな姿勢で一貫していました。
4.も同じです。「運用規程」を見直すというのは、新たにできた法令などに合うように、整合性をとるということであり、実際の現場で、外国籍公務員が就くことでどのような問題があるのかは問わないという姿勢でした。 「公権力の行使」とされる一般市民への強制を伴う行為は、すべて決裁事項として上司が判断し、現場ではその判断に従うだけなのにどうしてその公務員の国籍が問題になるのかという点では、相変らず、それは「当然の法理」だからだというトートロジーの反復でした。 唯一、現場で決裁をもらわなくとも即決すべきことがあるという反論が人事課からあったのですが、それは、道路をはみ出した荷物を片付けさせるという類のもので、そんなものは常識で判断できるし、その職務を外国人が担ってはいけないということはないだろう、という問いには、いや、それは「当然の法理」だから・・・・という回答でした。路上でのタバコ、空きビンの投げ捨てを注意し聞かない場合は、罰金を科すのも、「公権力の行使」だから外国籍公務員はだめ、ということでした!
5.その他のところでは、交渉に出席した韓国籍公務員が3度、ケースワーカーになりたいと希望を伝えたところ、人事課は市への非難書を公表した当人であることからなんとか希望を叶えさせたいと「運用規程」に従い照査したところ、1点、ホームレスが急病になった場合、入院させるかどうかの処置をとらなければならず、それが「公権力の行使」にあたるので、ケースワーカーはだめという回答であったそうです。K君は数日前、改めて、ケースワーカーになる4度目の申請をしました。 私たちは、「当然の法理」「公権力の行使」は川崎独自の判断基準ということでいいのだけれども、どうして弾力あるかたちで対応できないのか、ケースワーカーになりたいという青年の思いを国籍を理由に門前払いしていいのか、この件を具体例として市長に話をしろと迫りました。年内には何らかの決論がでるものと思われます。
なお予断ですが、参画室課長の発言で面白かったのは、これまで「準会員」発言への要望書がありそれを読んだところ、その内容は、これまで要求してきたことが阿部市政になっても守ってくれるのかどうかの打診だというのです。それって、既得権の保護の要望ってことですねよね。「共生」の実態を垣間見た思いです。
東京新聞、民団新聞では記事にするということですので、改めて報告します。
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