2006年04月02日(日) |
「日の丸・君が代」不当処分に対し抗議する |
東京都の異常な「日の丸・君が代」処分、しかし不屈に闘う先生方がいます。
私たちもともに連帯して、今後とも取り組みを強めていきたいと思います。
以下、抗議声明を転載します。
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卒業式における「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明 3月30日、東京都教育委員会(都教委)は臨時会を開催し、卒業式での「君が代」斉唱時の不起立・不伴奏などを理由に30名を超える大量の教職員の懲戒処分を決定し、本日3月31日、該当者に対する処分発令を強行した(内訳:義務制:停職1ヶ月1名、戒告2名。障害児学校:戒告2名。高校:停職3ヶ月1名、減給10分の1・1ヶ月10名、戒告17名。計33名)。
03年10.23通達以来、昨年(05年)の入学式までで延べ311名(再雇用職員の「解雇」を含む)という前代未聞の大量処分(別紙資料参照)に続く本日の不当な処分の強行は、個別職務命令を根拠に処分を振りかざして、教職員・生徒に「日の丸・君が代」を強制する都教委の教育破壊の暴挙に他ならない。
私たちは、この暴挙に満身の怒りを込めて抗議し、不当処分の撤回を求めるものである。
該当者のうち10名は、都教委の「事情聴取」に際して、弁護士立会いを要求したにも拘わらず、都教委はこれを拒否し「事情聴取」も行わないまま処分を発令した。都教委が、卒業式終了後僅か1週間という短期間で十分な「調査」も行わず、処分発令を急いだのは、入学式を目前にした「見せしめ・恫喝」であると言わざるを得ない。
一方で、03年度周年行事・04年3月卒業式・4月入学式の処分取消を求める人事委員会審理も未だ継続中であり、しかも05年3月卒業式・4月入学式の都人事委員会審理に至っては未だ審理すら行われていない。かくして、都教委は、公務員の身分の救済制度として存在する人事委員会制度上の手続き・進行を一切無視して10.23通達以来重ねての処分を乱発しているのである。
また、そもそも10.23通達が「違憲・違法」であるとして04年1月に提訴した「国歌斉唱義務不存在確認等確認請求訴訟」(「予防訴訟」)はようやく結審し(3月20日)、9月には東京地裁で判決を迎えようとしている。
許し難いことに、都教委は、都人事委員会の裁決や司法の判断を待たず、ひたすら大量処分の「実績」作りに狂奔しているのである。今回の卒業式で処分された該当者の大半は、被処分者の会弁護団(尾山宏弁護団長以下55名)を代理人として、来る4月24日に東京都人事委員会に不服審査請求を行い、不当処分取消・撤回を求めて最後まで闘い抜く決意である。
さて、都教委は、去る3月13日、「入学式・卒業式等における国旗掲揚および国歌斉唱の指導について」という新たな「通達」(3.13通達)を発出した。都教委の通達の発出は、実に03年10.23通達以来2年5ヶ月振りである。この「通達」は、ある都立高校定時制(学校名は口頭で)の卒業式において、国歌斉唱時に「生徒の大半が不起立であった」ことを理由に、「国旗・国歌の適正な実施」(生徒の起立・斉唱の強制)のための指導を「教職員に徹底」させるためのものである。
これは「生徒に強制はしない」とした政府答弁(1999年国会)はおろか、憲法・教育基本法、子どもの権利条約などを一切無視して、生徒の自主的判断や行動という基本的人権を力づくで抑圧するものである。3.13通達は、教職員への「日の丸・君が代」の強制の狙いが、生徒への強制であることを如実に物語っている。
私たちは、都教委の走狗となって生徒の「人権侵害」に加担することを断固として拒否し、3.13通達の撤回を要求して闘うことを宣言する。
石原都知事は、3月16日、都議会で古賀俊昭都議会議員の質問に対して、「きちっとした処分を重ねていくことじゃないと、教師たちの反省にはつながらない」と驚くべき答弁している。「最後の授業」たる卒業式の主人公は生徒である。新聞の世論調査でも見られるように、卒業式を「強制」と「処分」の場へと落とし込める都教委の非常識な暴圧に対して生徒・保護者・市民の批判が広がり、教員として「譲れない思い」を貫いた私たちの行動にも多くの支援・激励が寄せられている。
「日の丸・君が代」強制と今日の憲法・教育基本法の改悪の急速な動きは、表裏一体のものである。私たちは、生徒・保護者・市民と共に手を携え、憲法・教育基本法に基づき、東京の学校に自由を取り戻し教育の再生を実現するために、「日の丸・君が代」強制に反対し、都教委の暴圧に屈せず、不当処分撤回まで断固として闘い抜くものである。何よりもこの国を「戦争をする国」にしない、「教え子を再び戦争に送らない」ために!
2006年3月31日 「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会 共同代表 清川 久基(前足立西高校) 星野 直之(前保谷高校)
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