風にふわりと 〜こころのすきま〜
夕闇が、わたしを覆い隠すかのように降りそそぐ。 フレームが曲がって、すぐずれるメガネを、 ぐいと上に押しあげて直してみても、 どうして、空を上手く見ることができない。 仕方なく、地面に夕闇が染みこむ様をじっと見つめて、 わたしはゆっくりため息をついた。 どうしてこんなに気分が晴れないの。 一日を振り返って流れの速さに愕然とする。 哲学の授業で、「正義」や「正しさ」について学ぶ。 価値観の違いに惑わされて、迷い続ける。 真実は一つではないかもしれない。 けれど、事実は一つだろう。 夕闇のせいにしてもただ虚しいだけ。 自分のせいにするとただつらいだけ。 何が正しいのかはわたしにはわからない。 全てを肯定できる日なんておとずれるはずもない。 落ちる夕闇が肩にのしかかる。 信じてやることができないのが悔しい。 2004年05月18日(火)
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