『ヘビゴンザレス(仮)の観察日記』

2002年05月08日(水) 「桃色片思い」


「"桃色片思い"って、何色なの?」と訊いて来たので、
「桃色でしょ」と答えた。

すると、「桃色って、何色?」と訊いて来たので、これは厄介だと思った。
そういえば、私はまだ、ヘビゴンザレス(仮)に色のことを教えてなかったのだ。
困った私は、苦し紛れに、「も、桃の色」とだけ。
しかし、ヘビゴンザレス(仮)には、
桃も食べさせたことがなかったので、これまた説明に一苦労。

"桃でだめなら!"と、ありとあらゆる"桃色"を引き合いに出してみたのだが、
どれもこれも、ヘビゴンザレス(仮)を納得させるには至らなかった。
もう教えるのも無理かと思い、説明虚しくなって来たそのとき……。

「生ハム?」
ヘビゴンザレス(仮)が訊いて来た。
咄嗟のことに黙ってしまう私。
しかし、ヘビゴンザレス(仮)は、なおも訊いて来る。

「生ハムでしょ?」
「ああ……うん」

我に返った私は、頭のなかで思い出してみる。
生ハムの色艶は少し濃いが、確かに"桃色"と呼べなくもない。
肯定した私の返事を聞くや否やヘビゴンザレス(仮)は言い放った。

「じゃあっ、じゃあ、これは、ろまんちっくな色なんだ。ろまんちっくな片想いだ」
そして、「桃色片想い」を大声で歌い出した。





……最近、ヘビゴンザレス(仮)が、すごく大人になったような気がする。
手に負えないような気さえする。
ヘビゴンザレス(仮)は、私と彼氏以外の人間と、直接会ったことはないはずなのに、
何処で"ロマンチック"とか"生ハム"とか、そういう単語を覚えて来るんだろう。
やっぱり、テレビかなあ?
テレビとかのメディア媒体でなく、私も教えてないとしたら、彼氏ってことになるんだろうけど(その可能性は強いけど)。


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武者小路麗香 [MAIL] [HOMEPAGE]

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