麻綴り
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全然信じてなかったんですよ、ミヒャが引退するなんて。
でも、先週、朝日新聞の夕刊にまで「引退か」とか出てしまって、すべてがそっちへ流れていくのを見て…… ええっ、本当なの、と。
その段階では、ずーんと落ち込んでしまって這い上がれない気持ちでした。 その日は、お葬式帰りだったしね…… 無常観? 諦念?
ずっと続いてほしいものが、やはり続かないということ。 すべてのものに終わりがあるということ。
つらくて、悲しくて……
結局、翌日にバッチフラワーエッセンスの「ワイルドローズ」をペットボトルに入れて飲んで、ようやく少し立ち直った感じでした。
(ワイルドローズ:無力感、現実は変えられないと諦めている→バイタリティと人生への興味)
まあ、週の後半、ずっと悶々としていたわけですが、 なんだかね…… 今日のモンツァのレースを見ていたら、ああそうなんだ、とじわじわ身にしみてくる感じでした。
危ういスタートとか、ここぞというところでのダッシュとか、ピットインでトップに躍り出るとか…… まことに彼らしいレースでね。
そしてゴールした後の、チームの雰囲気…… そうか、そうなのね、という感じがひしひしと。
ひとりひとりのスタッフと抱き合って、すべてを味わい尽くそうとするかのような彼の姿を見ていたら、 喜びというより、しみじみした万感の思いが感じられて。
記者会見で、彼がカメラ目線になった途端に、 あ、来た!と思ってしまいました。 やっぱりそうなのか……と。
これが最後のモンツァでのレース。
そうなのね。
10年前、娘を産んだのが、モンツァの週末、金曜の朝でした。 そして、日曜日に、ミヒャがフェラーリで優勝して。 嬉しくて嬉しくてね…… あれから10年がたったなんて、信じられないけれど。
永遠に続くような気がしていた日々には、やはり終わりが来るんですね。
今日のレースを見ながら、ああ、私はやっぱりミヒャが好きなんだなぁと、自分の想いを再確認しました。 ホントに好き。
まあ、いろいろ言う人はいるだろうけど、 私は心から好きだった。 あまりにもひたむきな、レースと勝利への情熱。 常に前向きな態度。 受け答えが優等生すぎておもしろみがないと昔は言われたものだけど、そのじつにまっとうな考え方が、私は好きだった。
セナ亡き後、すべてを超えて、重圧に耐えて、ひたすら走り続ける彼に共感して以来、私はF1という世界にのめり込んできました。 それは、F1が好きになったというより、 むしろ単純に、彼の魂に惹かれたということの結果でした。
今にしてみれば、魂が魂に触れて、共振したということだったのかもしれません。
カメラ目線…… テレビの向こうから、こちらをまっすぐ見つめて、「今がその時」と語りかける彼を見ていたら、 「ああ、そうなのね」 と、その言葉がしっくりと胸にしみいってきました。
いいよ、きみが決めたことなら、きっとそれが最善なんだね。 これまで、たくさんの時を、たくさんの感動をありがとう。 感謝して、送り出すよ……
やっと、そう思えました。 寂しいけどね……。
本当は、最後に一目、生でその走りを見ておきたいのだけれど。 それはかないそうもありません。
でも、いいんだ。 負け惜しみではなく…… 岡山で、鈴鹿で、 目に焼き付けた感動のシーンの数々は、私の一生の宝物だから。
ありがとう。ありがとうね、本当に。
想いは尽きず。 珍しく、地上波の放送を流しながら、長々と書いてしまいました。
ミヒャが引退したら、今までほど熱心にF1を観ることもなくなるでしょう。 よほど、私の惹かれるドライバーが出てこない限りはね。
今のところ、候補者はいないんだよなぁ。 ルックスとか、速さとか、そういう単純なものじゃないんですよね。 持っている物語とか、魂そのもの……心が震えるような感動がないとね。
こうなると、この日記も閉め時かなぁと考えたりもしています。 思い入れの強いドライバーがいないと、レースを見てもクールになっちゃうしね。
まあ、シーズン終わりに向けて、おいおい考えます。
なんか、終わったみたいな気分になっちゃってるけど、チャンピオンが決まるまでは終わりじゃないのよね。 こうなったら、絶対にダブルタイトルを決めて、花道を飾っていただきたいです。
残り3戦、しっかり応援したいと思います。
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