文字姫
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勇気。→→→2006年08月12日(土)
彼と別れてきた。

朝に。

友達と遊んでて、彼から電話が来て、お前俺の充電器持ってない?って言われた。

友達と遊ぶ前に彼の家にいたんだ。

彼がどこにいるか知りたくて、家にいないの知ってたけど、自分の家にひとりでいたくなくて、彼の家いたの。

そこで充電しながら友達と電話してたから、そのまま持って帰ってきちゃってて。
ばかだよね。

怒られると思って、「家帰って見なきゃわかんない」って言ったら、彼は機嫌悪くて、元々あたしへの愛なんてもう最近じゃ感じられることはなかったんだけど、さっさと電話を切られた。

胸ぐらつかまれたり、

髪掴まれたり、

すごまれたり、

言葉乱暴だったり、

罵倒されたり。

最近の彼は、怖い。

迫力があって怖いとかじゃなくて、あたしへの愛が消えて、彼が変わっていくことが、怖かった。

でもこれが彼の本性だったんだと思う。

愛がなくなったにせよ、腹が立ったにせよ、暴力をふるう男は最低。

浮気する男は最低。

その男を許す女は救いようがない。

ずっとそう思ってた。

救いようがなくなったのはあたしだ。

だって許すしかなかった。

別れる勇気を出すくらいなら、許して、耐えて、エスカレートしていって、辛くて、辛くて、泣いて、それでもないようなものに期待することしか、できなかった。

遊んだ後、4時半ごろ、彼の家に行った。

充電器返しに行ったんじゃなくて、ただ会いに行った。

それで今夜会う約束をして、別れ話して、明日から彼は4日間お盆休みだから、最後にずっと行こうって言ってたルスツ行って、そして別れようって思ってた。

彼の家に着いたら、彼は寝てた。

当たり前だし、別に起こす気もなかったから、彼のケータイを見てた。

そしたら、仕事先の女とメールしててね。

好きだよとか、これからもっとお互い知っていこうとか、えっちは付き合ってからねとか、明日ちゅぅしてねとか、今の彼女を整理しなきゃいけないとか。

この子が彼を好きがってたことは知ってたけど、可愛くなくて有名だったから、なんだかんだ面食いな彼がこの子を好きにならないことはわかってた。

だから特に心配もしてなかった。

メール見ても、ショックっていうより、この男ここまで落ちたのかって言うか、この女に頼っちゃうくらい他に女がいないのかってしか、思えなかった。

ショックじゃなかったんだと思う。

彼がこの子を好きになるわけがないってわかってたし、明らかに気を紛らわそうとしてるのもわかったから。

ただ、別れるのが夜じゃなくて、朝になっただけだって、思った。

それから彼を起こした。

4時半だし、ただでさえ寝起きの最悪な彼は当たり前だけど起きてくれなくて、だけど無理やり起こした。

ビンタした。

彼はびっくりして、怒って胸ぐら掴んできたけど、払って、あたしもすごんだら大人しくなった。

そこから、時間かけてなんとか彼を起こして、10時半くらいまで話した。

彼は最初、別れるのね、わかったわかった、ほら早く帰れよ、みたいな態度だったけど、あたしが時間かけて話して、時間かけて今までを振り返ったら、真剣に聞いてくれた。

彼はいっぱい泣いてた。

あたし以上に泣いてたかもしれない。

目もすごく腫れてた。

別れたくない

好きだ

帰って欲しくない

って言って、いっぱい、いっぱい泣いてくれた。

4時半から10時半まで

いっぱい泣いた。

別れたくない

でももう繰り返したくない

だから別れなきゃいけない

やだ

いなくなられると辛い

って、あたしたちは泣いた。

彼は自分から仕事先の女の話もしてきた。

告られたんだけど

気は紛れるけど

一人は嫌だもん

って。

今ただ逢いたくて…なんて聞いたらやばいなって彼が言い出すから、MCUのいいわけ
やばいよって話になって、着うたで聞かせた。

彼は号泣してた。

『抱き合って

笑いあって

語り合って

今になって僕が

君を失ってしまうのは

つらいよって

つらいよって

つらいよって

泣いた

君を見失ってたんだと気付いた』

って、歌。

あたしはしきりに「最後」って言葉を口にしたし、彼はそれを嫌がった。

「こうやってぎゅってされるのも今日で最後かぁ」

「背中かくのも今日で最後かぁ」

「この部屋も今日で最後かぁ」

「この階段も今日で最後かぁ」

って。

最後に抱いて欲しいって言って、

ゴムがなくて、

ちょっとぐだぐだしながら手繋いでコンビに行って、

「このコンビニも最後かぁ」って言いながら、

家に帰って、

ちょっとテレビとか見て、

彼の買ったシュークリーム食べて、

えっちして、

30分くらい彼を寝せて、

そしたら10時。

多分最後の彼のえっちは、いつもとなんら変わりない、さっさと終わってしまうものだった。

特別愛撫が多いわけでもなくて

特別言葉にしてくれるわけでもなくて

今日が最後だなんて大して思ってないんだろうなっていうようなものだった。

それでもあたしが、

最後だから、死ぬほど愛込めて抱いてって笑いながら言ったからか、

「俺ほんとに好きだよ」

「好きだよ」

って、何度か、言ってくれた。

あれが、彼の出せる愛なんだ。

愛情表現がそんなに深いところまで出来ない人だったから。

だからあたしは不満で、だから別れるんだね。

あたしは、彼に、

もう絶対悲しませない

目の前で今の女も切る

もう二度と裏切らない

絶対に信じさせる

絶対に信じさせる

だから

頼むから

俺についてきてほしい

俺からお前を取ったらなにもなくなる

全部捨ててもいいから

なによりも大事にするから

俺と一緒にいてほしい。

って、言ってほしかった。

めちゃくちゃでもいい

かっこ悪くてもいい

泣きながらでもいい

どうでもいいから

言ってほしかった。

別に、彼がそんなことを言ってくれないのはわかってたし、今回別れるのだってそう言ってくれるか賭けたとかは微塵もなくて、それを言ってもらえないんだから、別れるしかないんだっていうことも知ってた。

わかってた。

だけど言ってほしかった。

いやだ

別れたくない

って泣くだけじゃなくて

いやだ

別れたくない

だからなんでもする

あたしのために必死になれる

って、思って、言ってほしかったの。


それが無理なのは、彼の態度を見てればわかった。

女を切るのはできる。

でも直接会わせることはできない

とか

電話でならお前の前で言えるって言ってたと思ったら

やっぱり仕事先の人だから、徐々に諦めさせたい

とか。

一瞬、あたしもそれに騙されて、それでもいいって、言ってしまいそうになったけど、ちゃんと流されないでいれた。

最後にルスツ行きたいって、ほんとに別れるときに言っちゃったけどね。

でもそれも帰ってからメールで行かなくていいって、ちゃんと言えた。

10時過ぎて、彼が仕事行かなきゃってなって、あたしがやだやだって、今部屋でてくからって、言いながら彼の体の、腿とか腕とかを、触って、やだやだって、駄々をこねた。

彼は怒らないで、ちょっと困りながら、でも俺も離れたくない、出てってほしくない、別れたくないって言って泣いた。

それでも結局ギリギリの時間すら越えて、案外あっさり、「メールするわ!」くらいで、その日は別れた。

いっぱい泣いてくれたなぁ…

ベッドでも、いっつもあたしが彼の傍に寄りたくて、寄り添って寄り添って、彼がベッドから落ちそうになってたのに、この日は逆だった。

あたしが、一緒に現実に戻るのが嫌で、朝一緒に部屋出たくなくて、彼が寝たら帰るねって言ってて、そしたら彼があたしに抱きついてきて、離してくれなくて。

こんなの初めてだったかもしれない。

疎ましく思う彼の気持ちも、少しわかった。

駆け引きってやっぱり大事なんだなって、少し悲しくなった。

終わった後は、特別すっきりしてるわけでも、泣けるわけでもなく、友達に淡々と説明したりしてた。

まさかこんなにちゃんと話聞いてくれるとは思ってなかったし、またあたしを好きだなんて言ってくれると思わなかったし、まさかあんなに泣くなんて、夢にも思ってなかった。

いい別れ方できたと思う。

これから先、これ以上はないと思う。

「好きな子できた。お前もういらない。出てって」って言われて別れるかどうかだったのに。

結局は、そういう男だった。

駄目な男だった。

大好きだったけど。

愛してたけど。

楽しかったけど。

決していい男じゃなかった。

考え甘くて

へたれで

すぐ逃げて

浮気して

暴力ふるって

思いやりなくて

優しくなくて

口悪くて

仕事最悪で

頭悪くて

周りに頼りすぎで

ひとりでいれなくて

ひとりの女も幸せにできなくて

人の気持ちが考えられない

辛いこと全部人に任せて

楽しいとこばっか見てたくて

弱くて

淋しがり屋で

口ばっかで

嘘つきで

素直で

一生懸命で

純粋で

あたしを、好きで好きで仕方ない時期もあった。


そんな、最悪な彼氏だった。

いっぱい辛い思いさせられたよ。

いっぱい苦労したし

いっぱい泣いた。

人一倍泣いた。


それももう終わり。

好きだから頑張ってた

好きだから耐えてた

好きだから変わってほしかった

好きだから期待してた

それも、もう終わり。


終わらせる勇気を、あたしは持ってたんだな。

えらいと思う。

あたし、本当にがんばったと思う。

じゅんから逃げなかったんだ。

ちゃんと向き合ったんだ。

流されなかった。

じゅんに言わせなかった。

あたしから、別れようって言えた。



あたし強くなったかな?

本音を言えば、彼が必死になって、

なりふり構わず、

なんでもするから

お前がいなきゃ生きてけないから

絶対もう裏切らないから

泣かせないから

絶対信じさせるから

絶対信じさせるから

だから

やり直してくれ

って、言ってきてほしいって、思ってる。

そして、それを実行してほしいって、思ってる。

あたしは彼のためなら今はなんだってできる。

信じようと努力することもできる。

彼が信じさせてくれればできる。

あんなどうしようもなくて、

将来もないのに、

ずっと、ずっとずっとずっとずっと、一緒にいたいって思ってしまうくらい、今でも好きだから。

好きだっていう気持ちだけで、あたしはこの人と付き合ってきた。

好きだっていう気持ちだけで、あたしはがんばって耐えてきた。

なにも与えてもらえないときも。

愛してもらえないときも。

好きだってだけで、がんばってきた。


辛かったなぁ……。

長かったなぁ。

ズルズル終わりを引き伸ばして、それになにか意味はあったかな?

この、地獄のような数ヶ月に、生き地獄のような数ヶ月に、何か、意味はあったかな。

だけど、彼を諦めるための、生き地獄だったって言うことも、あたしは、わかってる。

ちゃんと整理できて、ちゃんと、考えられたでしょ?

いっぱい辛かったな。

死んじゃいたいって何度も思ったな。

いっぱい泣いた。

何度も限界越えた。

頑張った。

あたし充分頑張った。



あたし、勇気出したよね?

これでよかったんだよね?

そして次はもっと強くなって、もっと大事にされる、もっと愛される、あたしもそれが嬉しくて、大事にして、愛して、幸せな、恋愛を、するんだ。

強くなりたい。

たくさんの友達に迷惑をかけて

たくさんの人の優しさを感じた。

これで結果が出なきゃ、みんなに顔向けできないよ。

強くなりたい。

じゅんは失ってしまったけれど、

またなにか、もっと、じゅんよりももっと大きい、じゅんよりももっと大切な、勇気とか、強さとか、愛される喜びとかを、手に入れていきたい。

そして成長していきたい。

じゅんと付き合ったことが、ただの楽しかった思い出にならないように。

自分を成長させれるように。

別れる勇気を出したあたしは、

強くなっていけるかな?

またすぐ淋しくなっちゃうんだろうな。

今も淋しいもん。

辛いもん。

泣いたもん。

だけど頑張るんだ。

頑張って、強くなる。

じゅんは、いないけど。

あたしは強くなる。

そして幸せになるんだ。

じゃなきゃ幸せになれないんだ。


そう、思ったよ。

ありがとう惇。

好きだとか、愛しいとか、なんで?とか、悲しいとか、楽しいとか、幸せだとか。

色んな感情を、リアルに感じさせてくれたのは、あなたでした。

惇がくれた感情も、

惇がくれた言葉も、

惇がくれた笑顔も、

全部、一生あたしの中に残ってくよ。

全部、一生忘れない。

全部、いちばんの宝物だよ。


ありがとう惇。

ありがとう。

大好きだよ。

愛してるよ。

泣いてくれて嬉しかった。

「好きだとか言うより、愛しいって感じ、わかる?」って言ってくれて嬉しかった。

あたしの家まで歩いてまで会いに来てくれて嬉しかった。

愛しそうにあたしの顔見て

ぎゅってしてくれて嬉しかった。

何十回えっちしたかわかんないね。

何百回ちゅぅしたかわかんないね。

何百回好きだと思ったかわかんない。

ありがとう。

ありがとう。

大好きだよ。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。



あたし強くなるね。

いつかまた、笑いながら、会えるくらいに。

あたし、強くなるね。






さよなら。

大好きだった。

愛してた。

愛してた。

愛してた。



さよなら。

惇たん。





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