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買えたらいいな


家では
安物の大きなスピーカーと
安物の小さなスピーカーがある。
それぞれに別々の安物のアンプを取り付け
ひとつのCDプレーヤーから
大きなスピーカーはベース担当
小さなスピーカーは高音担当
そんなふうにして
それぞれのアンプを通じ
大きい方、小さい方
それぞれのスピーカーから別々の音色が鳴ってくるが
この部屋でこの安物の機械でも
今のところ一番良いんじゃないかと
思えるセッティングで音楽を聴いている

何回か試行錯誤してできた
この部屋の音は
まさに家内制手工業的であり
愛着があり
この部屋の音を操っているという自負心が
ささやかな幸せだったりする。

でもやぱりいつかは
スピーカー、アンプ、プレーヤー
それぞれ
もっと高い物を買って
より自分の好みにあった
よりよい音に出会えたらいいなと
思う時もある。

どんな感じなんだろう。
このサムクックの音がどんな風に聴こえるんだろう。
このウィルソンピケットのソウルがどんな風にビシバシ感じるんだろう。
このオーティスの優しさ、暖かさ、お茶目さ、人間くささがどんな風に感じるんだろう。
このディランの天才がどれだけシンプルに純粋に感じるんだろう。
と。

いつまでたっても買えないかもしれない。
でも買えたらいいなと思っている。
いつか買えたらいいなと思って
オーディオ雑誌をみながらワクワクしている。

作曲した人の思い、
マイクで録ってミキシングして仕上げる音楽制作者の思い
魂込めて物を創っていいく人達の
知られざる偉大なる数限りない思いがCDというパッケージには凝縮されている。

その思いをよりストレートに伝えてくれるオーディオセッティングを
自分らしく仕上げて行く行為そのものが単純にとても楽しく感じる。

でも
そんなオーディオセッティングをするお金があるくらいなら
新しいギターを買って、ジャランと鳴らしている方がよっぽど
楽しいと思うんだけど。

何はともあれ
メモリーオーディオや音楽ダウンロード・配信などの
いわゆる「圧縮音楽」が世の中流行しているのは
どこか違うような気がする。





2010年09月17日(金)

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