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ぐるぐる


右目が真っ赤だった。
朝起きて鏡見て
白無し
真ん中の黒
ふちどるように赤
血の赤


「最近、俺、血走ってるからな〜。」

勝手に一人言を言ったはいいものの

それは、恐怖を自ら抑える
最終的な手段にすぎず、

明らかに遅刻、どんなに急いだところで
30分じゃ着かない場所に行かなきゃならない時に
3分前に起きて
事の自体を把握する前に
まずは落ちついて、一服タバコをふかす
まわりを見渡す、もう一度ゆっくり時計を見る
やっぱり3分前だと気付く
みょうに納得、うん寝坊した
やがて来る、慌てふためく前の
ほんの一瞬の静
あの瞬間に似た
一人言を言っていたのは
十分承知の上で

「最近、俺、血走ってるからな〜」
「本当に目が燃えてるぜ〜」
「でも狼の目つきになりたいのに
これじゃ〜うさぎだな〜」

なんて、鏡に向かって言ってみたが
徐々に不安はつのり出し

「なんじゃこりゃ〜」(松田優作)

鏡に向かった。

ドクター。
俺の燃える目に光を当て写真をパチパチ。
それ見ながら

「あ〜気にすることないですよ、
時々あるんですよ。ぶつけたとか、そういう何にも
外的要因がなくても、朝、目が覚めたら
目が真っ赤になっている事って。
ま〜目の毛細血管が切れているんですけどね
2、3週間で治りますよ。」

「えっ、目の中にかさぶた出来るんすか?」

「出来ません、出来ません、目の中は
濡れているんで、自然と流れていきますよ。」

「目が覚めたら目が真っ赤になるのって
心の問題ですか?
例えば〜・・・・
心が燃えてるとか、そんな感じの原因」

「(笑)いや〜一番考えられるのは
寝ている間、夢を見ますよね〜。
その時って目は動いているんですよ。
それで眼球の動きが激しい時
たまに目の毛細血管が切れるんですよね〜。」

「(なんじゃそりゃ〜)」

「だから何の心配もないですよ。」

「じゃ〜僕、目が回る夢でも見てたんですかね〜、
 ハ,ハ,ハ,ハ,ハ、・・・・・・・・・(冷や汗)」

今日から2週間
俺の右目で睨まれたら
ヤバイゼ。
かなり危険だぜ。

血走ってるぜ〜。
切れるぜ〜。

ヨロシク。




2003年03月05日(水)

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