ほり日和  
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2002年06月02日(日) 桂米朝さん。

夜、NHK大河ドラマ「利家とまつ」を見終わった後、
NHKスペシャルを久々に見た。本当は紳助さんの
「行列のできる法律事務所」を見るつもりだったのだ
が、すっかり忘れていたのと今回のNHKスペシャル
によほど感化されたのではないからだろうか。

落語家で人間国宝の桂米朝師匠を取り上げていた。
俺は実を言うと今まで落語と言うのをほとんど見た事
もなければ聞いた事もない。落語家はたくさん知って
いてもその人たちが演目してる所を知らないのだ。
ギリギリ偶に見ていたのが「お笑い漫画道場」に続い
て「笑点」というコースだった。

このNHKスペシャルの少し前になるが「運命のダダ
ダダーン!」という番組で「お笑い」がテーマだった
時にもふと思ったのだが、俺は昔、落語やお笑いと言
うものを軽視していた頃がある。
当時は俳優と言う職業に強い憧れを抱いていて、お笑
い芸人と言う職業には微塵も魅力を感じなかった。
馬鹿なことをして、それでいて給料も少ない…。
面白く感じなかったと言う事もあるかもしれないが、
人前で恥ずかしくないのか?と言うの思いがあった。
俳優も同じなのだが、当時はそれは演技だから仕方が
ないと思っていた。今思えば全く勝手な思い込みだ。

落語も面白く感じなかった。誰のを見たのか覚えてな
いけれど、飽きを感じた事は覚えている。

今日のNHKスペシャルで見た米朝師匠の落語は
すごく面白かった。もうひとつ面白く感じた理由は
自分から聞こうとする姿勢があったと言う事もある。
最近役者の勉強を始めて3年くらい経ったが、その間
に色んなものを吸収したいと言う思いができてきた。
努力と言うほど努力したとはまだ自分では思っていな
いが、みな同じだと思った。お笑い芸人に限らず、人
前で何かをする人たちはすべからく努力している。
大事な事は「感じる」事だと最近とみに思う。

米朝さんは番組内でこう言った。
「見ているお客さんの雰囲気や意識を感じながら噺が
できない落語家はダメだ」
これは落語家だけに云える事じゃないなと痛く感心し
てしまった。演者とお客が同じ空間にいる限り、空気
は同じである。俺はその「感じる」為の空気を大事に
したいと思った。


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