ほり日和
もくじ|昨日|明日
主演を演じる役者さんを引き立て、その存在感を圧倒的な ものとし、尚且つ少ない自分の出番にも関わらず、自分の 存在感も観る側に残せる名脇役を演じられる役者さんが、 今の日本に一体どれほどいるだろうか?
今や、人気絶頂の脚本家として「ラヂオの時間」「みんな の家」「警部補・古畑任三郎」等を手掛けた三谷幸喜氏。 その三谷氏が率いた「劇団東京サンシャインボーイズ」の 旗揚げメンバーで近年は人気作「ショムニ」に出演してい た、俳優・伊藤俊人さんが急性くも膜下出血で亡くなられた。 40歳という若さだった。
名前は知らなくても顔を見れば、わかる人もいるかも知れな いが、演劇に関わってる人は大抵知っているはずだ。 僕はサンシャインボーイズが活動休止してから演劇を始めた ので、作品に登場している伊藤氏を知らないが、初めて観た のは「踊る大捜査線」の第2話で爆弾犯人を演じていた伊藤 さんだった。 その後「ショムニ」の再放送や過去の舞台でその存在感に 魅了された。
僕はどちらかと言うと、作品で主演する人よりも脇役の方に 目が引かれる。当然上手い人だ。近藤芳正さんや小林聡美さ ん、西村雅彦さん、古田新太さんなど、近年、演劇界から テレビに登場し、脇役とは言えその存在感は絶対的に演劇で 培われた賜物だと思っている。得てしてそう言う方々の演技 は見てて本当に勉強になるし、作品に引き込んでいく浸透力 をもっている。伊藤さんもその名うての役者さんだ。
今朝方、弟にその話を聞いたときは正直、驚きより事実かど うかを疑った。しかし本当だった。ウチの劇団員の一部も 号泣していた。
伊藤さんのご冥福を心よりお祈りしたい。
|