READY!STEADY!どっこいしょ!...刈田

 

 

なぜもう一度この地点に戻ってこれたのか? - 2005年11月12日(土)

やっとスティービー・ワンダーの新譜
「ア・タイム・トゥ・ラブ」を聴けたんですよ。
これが本当に素晴らしくてね。
ここまでまっとうなスティービー節を聴いたのは久々な気がする。

ここでいうまっとうなスティービー節っていうのは、
つまり、90年代以降に思いっきり再評価された70年代のスティービーの姿。
原体験でいえば、♪I just call to say...だし、
パートタイムラバーでオーバージョイドなわけですけど、
やっぱ遡って聴いた「トーキングブック」から
「ファーストフィナーレ」までの3枚の影響力って
自分の中でも大きいんです。
その時期のスティービーが久々に戻ってきた気がしましてね。

特に4曲目「フロム・ザ・ボトム・オブ・マイ・ハート」とか、
8曲目「パッショネイト・レインドロップス」は、
完全に望まれてるスティービーの曲だと思うんです。
前者はハーモニカも素晴らしいし、後者は転調が気持ちいい。
中にはモロ10年前なリズムパターンの曲もあるけど(実はお蔵だし?)、
それでも説得力は十分なんですよね。

で、なぜもう一度この地点に戻ってこれたのか?と。
まあ、その、「キャラクターズ」から
「カンバセイション・オブ・ピース」の頃って、
やっぱり、こう・・・正直ダメだったじゃないですか。
だから疑問に思ったわけです。

最初はプログラミングで参加してるスティーブ・ジョーンズっていう、
ピストルズのギターと同姓同名の人がいて、
(スティービーワンダートリビュートのメアリーJブライジ「オーバージョイド」にも参加)
もしやこいつの差し金か?とも思ったけど、半数の曲でしか参加してない。
目の見えないスティービーだから、プロトゥールスなどの
機材オペレーターもいたはずだけど明確なクレジットはない。
唯一気になったのは、往年のプリンスを支えた
フェミ・ジェイヤ(で表記いいのか?)がほとんどの曲で
ミックスを担当してたことで、
しかし、これとて所詮ミックスだから隠し味に過ぎない、と。

で、なんとなく思ったのは、
世間のオーガニック/ネオ・フィリー/ネオクラシックソウルの流れに
後押しされたんだろう、というのがひとつ。
彼らの音を聞いて、ヘンに気張って今っぽい音を作らなくてもいいんだ、
と気づかされた部分が大きいのではないかと。
某CD店のブースでは、同時期発売のアリシア・キーズのライブ盤が、
まるでスティービーの新譜に花を添えるような形で置かれていたんですけど、
それがすごく象徴的だったな。

もちろん、10年間というブランクもあったし、
愛妻や、尊敬するレイ・チャールズが亡くなったという
悲しみも含まれているに違いない。
そういう節目に発売されたという意味では、
ちょうど瀕死の事故から復帰した後に制作したアルバム、
「ファーストフィナーレ」に似ているような気もします。
やけに温かみのあるアルバムだということも。

確かに大物ゲスト大量投入で、まるでサンタナだけど、
そういうところで語ってほしくないアルバムだよな、これ。


...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home

エンピツ