READY!STEADY!どっこいしょ!...刈田

 

 

生ビールは生き物だからね - 2005年09月20日(火)

腹減ったので、近所のちっぽけな焼き鳥屋にいってみた。
入るなり、ガンコそうな店長にいわれた。
「もう今日は締めるからオーダーは一回だけにしてくれないか?」
オイオイ、まだ10時だぞ!
見渡すと店内には張り紙が沢山あった。
<携帯電話は禁止します。
 使うならピンク街までいってください>
<当店のメニューはすべてオススメ品です。
 どれがオススメかは聞かないでください>
<巣鴨いちおいしい生ビールを出します。
 なぜおいしいかが知りたかったら聞いてください>
しくった。。。
どうやらオレはガンコオヤジの店に入ってしまったみたいだ。

早めに退散しようと、生ビールとねぎま(4本)、ポテトサラダを頼む。
で、出てきた生ビールを飲んでビックリ。
確かに美味い!!
透き通った味がするというか、薬品臭さがないというか…。
その謎をオヤジにおそるおそる聞いてみる。
「生ビールの樽はしっかり管理しなくちゃならない。
 常温のところに置いておくなんてもっての他だ」
「樽と機械がつながってるホースは1日1回以上洗う。
 そうでないとバクテリアが発生するんだ」
「ジョッキはすべて手で洗う。洗浄機は絶対に使わない」
「オレはこの方法を某ビール会社の教室に通って学んだ」
そういう勉強会に出るなんて、こだわりがあるんですね、、、
と関心していると、
オヤジはこう言い放った。
「こだわりっていうのとは、ちょっと違うんだよな。
 生ビールは生き物だからね。
 ちゃんとしなきゃいけない、というね…」

“ちゃんとしなきゃいけない”って言葉が心にズシンと響きましたね。
オレ、今年で34歳ですけど、
いまだに親に“ちゃんとしなさい”て言われるんだよなぁ。

オヤジはこの店を30年間1人で切り盛りしてきたという。
30年間1人で、だ。
カウンターしかない小さな店だけど、
いいサービスを求めて、客にいいものを出すために、
ずっと“ちゃんとしなきゃいけない”ってやってきたわけだ。
「神が降りねー」とか言ってる自分が情けなくなってきたね。

どこかの誰かが言ってたけど、
やっぱりカウンターの中にも人生があるんだな、と。
そこから学ぶべきものはたくさんあるんだな、と。
ま、張り紙はどうかと思うけどさ(笑

帰り際、オヤジに職業を聞かれたので、
フリーの物書きです、と言ったら、
オヤジははじめて笑顔見せてくれた。
「そうか、がんばって構想練るんだぞ!」
いやー、安っぽいドラマしてるぜ、オレの人生。


...




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