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2003年05月14日(水)
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ガラ |
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先日。 気まぐれで連絡してくる男友達が電話をしてきた。 「俺、今裁判所にいて、連れ待ってん」 と唐突に言われた。 要は時間つぶしに電話してきたらしいのだが、裁判所とはどういう? そう尋ねても、ヤツは「面倒が多いのや」と言って理由は言わない。 どうやら、自分の都合ではなく、他人の付き添いらしので一安心だったのだが。
「アンタに裁判所って、似合わないねー」
と思わず本音を言ってみた所、
「ちゃんとスーツ着てネクタイ締めてんで」
と返ってきた。 その姿を一生懸命思い描いてみたが、ヤツがスーツを着てる姿は正直言って想像し難い。 もっと正直言えば・・・・・似合わない・・・・と思う。 思わず、反射的に笑ってしまった私に
「なんや。お前も笑うんかー失礼なっ」
とヤツは憤慨した模様。 どうも、その姿を見た他の人々にも何やかんやと言われたらしく。
「キャバクラのキャッチみたいや」
というのが、総合評価としてダントツだったらしい。 要は「チンピラみたいなんだ」とまとめた所、 「そこまで言われてへんで。お前が一番酷い」 と怒られたが、いや、私は間違ってはいないだろう。
そして、昨日。 そんな、スーツが似つかわしく無いヤツが電話をしてきた。
「お前の住んでる地域って、住所なんて言うの?」
と聞かれ、あ?ここは○○市だよ?と答えると
「え?郡じゃないの?字と付かへんの」
と言いやがった。 ふざけんなっとかなんとか一悶着し、何故にそんな事を?と尋ねると、後輩に頼まれてなにやら書類を作るとのこと。 思わず、
「げー。怪しいんですけどぉ?」
と言ってやると「なんでや?」と疑問形。
「この間からスーツ着てみたり、今度は書類偽造だなんて完璧に怪しいだろが」
と答えてやると、「そやなー。かなり怪しいなー」と本人も納得の御様子。 っつーか。スーツ着ただけでも怪しいって、自分で認めてどーするよ? そのクセ、「実は俺、さわやか系」とかほざく、実体はガラの悪い男だ。 精神衛生上、世間上。コイツとはあまり関わらない方が良さそうだ。うん。
今日。 印刷業者がやはり問題になり、社長と話をしていた。
「フィルム引き上げた方がいいんじゃないの?」
と社長に言われ、いざとなったらそうするよー。と答えたところ
「俺が取りに行くから」
と一言。その声に、何やら怖いものを瞬時に嗅ぎ取った私は思わず
「そういうの、嫌なんだよなー」
と答えると、ただ「そういうの」と言っただけにも関わらず、
「そういうのって、借金取りじゃねーんだからっ ただ、取りに行くだけだろーが」
と返ってきた。
いやいや。 瞬時に私がどういう状態を嫌がったかを想像でき、かつそれを「借金取りに・・・」と言えたその発想事態、かなり危険だから。 大体、声が凄んでたし。巻き舌系入ってたし。 元々、見た目がかなり怖いし。ガラ悪いし。スモーク貼ったベンツだし(関係無いか) だから、やっぱり社長が出てくる前に、自分で印刷業者何とかしようと心に誓った。
先週の土曜日。 いつも行く飲み屋に行き、後から来た顔馴染のガテン系オジサンと話をしていた。 このガテンオジサン。とても丁寧にいつも年下の私達相手でも「ですます」調で話してくれる。 よくよく見ると目がちっと怖いのだが、いつも穏やかに丁寧語で話すので、うっかりすると大人しい人だと思いがち。
そこへ、後から悪酔いの原因が私の隣にやってきた。 私が滅多に無い悪酔いする原因は、大概が隣の席に来る客だ。 もちろん、赤の他人。されど、顔馴染。 例えば、車に乗っているときに本を読んだりすると酔う確率が高い。 それと同じで、呑んでる時に隣の客の話をジーっと聞かねばならぬ状態は、酔いを急速に早めるのだ。
その悪酔い原因の客だが、オヤジだ。 なんだかの商売をしてるオヤジだが、特徴はその馴れ馴れしさだ。 いつ知ったのかは知らないが、改めて自己紹介をした覚えも無いに 「あるひさん、いいねー」と名前を呼び、更には私だけじゃなく、お相手の事まで実体をよく知らないクセに誉めまくるあたり、かなり怪しい商売オヤジだ。 声の質は、出川系。いや、出川よりは聞いてられるが一日中は無理な周波数だ。 そして、性質も悪い。 暴れるとかそんなんじゃなく、悪びれない様子で小姑みたいな嫌味を店主に言うのだ。
そんな商売オヤジの長い演説の相手をさんざんし、もう限界だ。気持ち悪いぞとなり帰ることにした。 そして、「じゃ、おやすみなさい」と商売オヤジに挨拶すると、 「なんだー、もう帰っちゃうのー」 と、これまた馴れ馴れし言葉。 私達が帰ると、店にはガテンオヤジと商売オヤジだけになる。 すると、商売オヤジがガテンオヤジに
「じゃー、僕は、ガテンオヤジさんとこの間の続きでも話しましょ~。ね~?」
と話し掛けた。 と、次の瞬間、あきらかにガテンオヤジさんの目つきが代わり、
「(ふ)ざけた事言ってんじゃねーぞっ ゴラァー ゴタゴタゴタゴタ言ってんとシバクぞっ ゴラァー」
とドスの聞いた返事が。
思わず、一気に酔いが冷めそうな勢いだった。 普段、とても大人しい人に見えるだけに、商売オヤジは何かを勘違いしてしまったのだろう。 振り向いて顔を見はしなかったが、商売オヤジはきっと驚いていたに違いない。 いや、しかし。 ガテンオヤジさんは、見た目はちゃんと(?)ガラ悪さ満点なんだってば。 まぁまぁとかガテンオヤジさんを宥めつつも、特に仲裁するでもなく、さっさと放置して帰ってしまった私達だが。 後から聞いても大事にはならなかったらしいので良かった良かった。 しかし、教訓。 ガテンオヤジさんは、私とお相手にとても優しいのだが。 酔うとうっかり、敬語じゃなくなってしまうクセは、今後気を付ける事にしようと心に誓った。
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