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2003年01月27日(月)
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日々気遣い |
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風邪をひいたらしい。 熱が、37.5℃より下がらない。ダルい。眠い。身体が痛い。お腹が緩い。 しかも、毎月恒例行事寸前。 よって、明日の歯医者はキャンセルすることにしよう。
ある日突然、自分の習性に気付く事がある。 そして、改たに己の実態を知る事になる。
きっかけは、先週のとある日。 ココアを作って、その1/3を別の小さなカップに注ぎ、 「ココアは、風邪菌をやっつけてくれるんだと」 と父上の位牌に向って話し掛け、置いた瞬間に気付いてしまった。
父上に、「身体にいいんだよ」と言ったところで何になる?
いや、言っておくが、これは笑うところだ。 私は、何かある毎にこれまでも当然のように「これ、身体にいいんだ」と言ってお供え(?)をしてきた。 けど考えてみたら、今まさに父上はある意味健康なのだ。自由にひょうひょうできるのだ。健康を考える必要がある「身体自体」が無いのだ。 きっと、父上も笑っていることだろう。
これをきっかけに、自分が普段している事に注意を払ってみることにした。 大した暇人だ。
まず。最近、昼間に風呂に入ることが多くなった。 しかし、お線香が点いている間は、決して服を脱がない自分が居た。 いちいち一人暮らしなので戸は閉めない。よって、狭い脱衣所からは父上の位牌が見える。 トイレも然り。独りなので、戸を閉めないで入る。 しかし、お線香が点いている間だけ、私は戸を閉める。
どうやら、私の中では「お線香が点いている間は、父上が見ている」と決め付けていたらしい。
驚きだ。いつの間に、そんな事を考えるような子供になっていたんだろう?
そのクセ、時々いつまでもそこに居ると思い込んでいる時もある。 私が使っているお線香立ては、元々がお香用のものだ。そこそこの値段がした焼き物だ。 普段なら、お線香が消えて一時間以内にフタを閉める。が、時々夕方までそのままで忘れる。 すると、暗くなり始めてカーテンを閉めるときになって気付いて思わず 「おお、悪かった」と言ってフタを閉めるのだ。
どうやら、フタを開けている間は、父上が居るものだと思い込んでいるフシがある。 閉めないので、父上が帰るに帰れないでいたと思うのである。
驚きだ。線香立てを魔法のランプとどこかで一緒にしてたらしい。 「出て来いシャザーン」「あいあいさーっ」じゃないんだからさ。
ついでに、独りだけで温かいコーヒーを朝一に飲もうとする。 だけど、それを持って階段を上がろうとしかけると、ちらっと位牌に目が行く。 そして、ちっと後ろめたくなり、やっぱり父上に分けようと思う。 優しい娘だ。 そのクセ、「匂いだけだし」などとほざいて(仏様は湯気や匂いで物を食べると聞いた)、ほんのちょっとだけにする事が多い。 そして、湯気が出なくなった頃、もう飲まないだろうと勝手に判断し、それを飲み干しに行く。
驚いた。私ってば、結構なケチ野郎だ。
この周辺は山だからか、カラスが多い。 電話中に、夕暮れカラスが鳴くせいで、「田舎だ」と笑われる事もあり。 そんなカラスが、歩く私の頭上で鳴いている時。 私は、絶対に走らない。 全身から、舐めんなよオーラを出す事を心掛け、威嚇しつつ歩を緩めず。 目を合わせると襲ってくると思っているので、上を見ない。 しかし、フンが落ちてくるのは嫌なので、気付かれないようにそっと進路を二歩ぐらい横にずらす。
どうやら、女子供をカラスが舐めて襲い掛かるというニュースの影響で、毎回それをしてるらしい。
特にゴミの日は、時にカラス集団の間を3つも通り抜けねばならぬ。 駐車場から家までに、3箇所もゴミ収集場所があるってことだ。 ヤツ等は、私が通りすがると必ずクチバシを止めて私を見る。 しかし、絶対に私は見ない。 すかさず目をそらし、何も見えてましぇ〜んを装い、通り過ぎる。
どうやら、カラスに対し、自分は敵じゃないとアピールしたいらしい。
驚いた。野生の本能で、私は身を守っているに違いない。天敵はカラスってことか。
本能は、車に乗っていても働いている。 車に乗って、まずすることは何だろう?キーをまわしてエンジンを掛けるのは当然だ。 しかしながら、その前に自然とやっていたことは「ロック」だった。 私の車は高級車じゃないので、走り出して勝手にロックをしてくれる機能などない。 手動だ。 運転席右側に並んだボタンの一番先頭のヤツを、パチっと押すとロックだ。 そのボタンを押すという行為は、気付くと信号待ちでもたまにしていた。
どうやら、止まっている車に、誰かが勝手に乗り込んでくるのが怖いらしい。 決して、事故の時に放り出されない為の安全策とは考えていないのだ。
驚きだ。そんなに私は小心であったか?カラスよりもやっぱり怖いのは人間か。
いや、全てを通して一番の気遣いを見せているのは、やはり父上に対してか。 っつ〜ことは。意外にも小心だった私がこの世で日々気を遣い、恐れているのは、
目に見えぬ魂>人間>カラス
の順であることに気付いた。
しかしながら、やっぱり私は今だ見付からぬ『ムカデ様』が一番怖いと思うのだ。
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