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2002年11月07日(木)

誉め言葉

今日中だという仕事7点・・・・・・
客先の都合にて昨日から待っているのに届かず。
普通、今日中というのは終業時刻だろうが、私の仕事の場合は0時まででも今日中。
ちっ。徹夜かなぁ・・・・・

このところ、フリーダイヤルの着暦が頻繁に残っていた。
昨日も夕方まで仕事待ちでぬぼぬぼしていると、そのフリーダイヤルの番号で電話が鳴った。
「○○○スクールですが・・」いわゆる、セールスの一種だった。
最近、思うのだけれど。
学校やら企業やらに資料を請求する度に、この手の「その後どうですか?」電話が多くなった気がする。
以前は、資料が届いてもこちらから反応しない限り営業活動は無かったような。
これも、不況のせいかな。

特に、学校関係で営業の電話を貰うと、穿ちな私はすぐに嫌になる。
「金儲け主義かぁ?」とついつい思ってしまうので、そういう学校には通わない。
昨日の電話は、ハキハキ口調の姉ちゃんだった。
「あるひさんは、ご在宅でしょうか?」との問い掛けに
「私です」と答えると
「あ、ご本人様でしたか。失礼致しました。」と返って来た。
ここまでは良い。普通だ。

「あまりにも、声がお若いもので・・・」

なぜかしらんが、その姉ちゃん。言い訳開始。

「資料でお歳を確認してお電話したものですから・・・」

「妹さんかと思いましたっ」



・・・・・・


悪かったねっ!30代の声じゃなくてっ!


その姉ちゃんは、その後もひたすら
「声が、お若いんですねぇ・・・」と誉め言葉を連発しておった。
ひとしきり、褒めちぎり作戦が終ったところで「その後、如何ですか?」が始まった。
最初は何やら普通に丁寧な口調だったのだが、声の主が私と分かった途端に、馴れ馴れしく変わっていった。
問い掛け方が、一応は「です・ます」調を交えてはいるが、まるで先生と生徒のような感じなのだ。
暇を持て余していた私が、いつもよりも丁寧にお断りの言葉を述べる度に

「うん。うん。」「じゃぁ、〜なの?」

と、あきらかに。ああ、あきらかに、年下相手に喋ってる口調になっていた。
大体、普段から私は、私の話しにいちいち大袈裟に思える程に
「うん。うん。」「へ〜」「わかるわぁ」
などの反応するリアクション大の人間は好きでは無い。
お前、本当に聞いてる?本当に分かってる?と、返事をされているにも関わらず、疑いの眼を向けてしまう。

大体、いつもこういう事が多い。
声しか知らぬ相手にとって、私は「たやすく扱える相手」になるのだと思われる。
バカにされてるのか、ナメられてるのか、単に親しみを感じてくれてるのかは分からんが。
まぁ、声だけで怖がられるよりはマシだと思っておこう。
私は私で、声を聞いた途端に口調が変わる人間に対し、半ば楽しむ心境だ。

大体、30代の人間に対して「声がお若いですね」という誉め言葉って、びみょ〜だ。
50・60代になって言われたら、きっと私は喜ぶかもしれないが。
例えば。30代の女性に「28歳ぐらいかと・・・」って言うのは、○だと思う。
でも、「24-5歳ぐらいにしか見えないわぁ〜」と言われると、それは×だ。
人によるとは思うけど、28歳ぐらいであればそれなりに落ち着きがあり、且つ若いという印象を私は持っている。
でも、24-5歳に見えるなんて、要は私に落ち着きが無いっつーこと?と思えてしまう。
30代の私心は複雑なのだ。大袈裟に誉めたところで、返って不信感を持つだけだ。

そんな複雑な心模様の私が、最も楽しくなる誉め言葉がある。
これは、あきらかに【お世辞】としか思えないから、もう〜、ツッコミたくてウズウズする。

私の母は、夜だけ飲食店をやっている。飲み屋では無い。
そこへ来てくれるお客さんの中には、両親のちょっとした知り合いも多い。
そんなお客さんの時には、母上は、フルーツやらつまみやらとサービスも多くなる。
両親の知人だからして、厨房に入っている私も、出来る限り出て行ってご挨拶をすることにしている。
そこで、母上が、「娘なんですよ」とお客さんに教えると

「いやぁ〜、お母さんに似て、美人だねぇ」

と、今まで2-3名のお客さんが褒めちぎって下さったのだが・・・

それは、無理っ 無理すぎっ

母上は一重だ。もしかしたら奥二重かもしれないが、歳によって一重で細目だ。
私は、これでもかっ!というくらいに、くっきり二重で目もデカい方らしい。
母上の鼻はスッとしている。しかし、私の鼻はダンゴだ。丸い。
母上の唇は薄い。しかし、私はどちらかといえば、ぽってり唇だ。
顔のパーツだけでも、これだけ違うし、体型も正反対なのだ。
どこをどうひっくり返して考えても、これほど似ていない親子は居ないだろう。
だって、だって、だって。


DNAが違うんだからっ


この日記をずっと読んでらっしゃる方は御存知の通り。
私と母上は、血のつながりが無い。似ようにも、似れないっつーの。
一緒に暮らせば似てくるとは言えど、パーツが違いすぎる。
毎回毎回、この「お母さんに似て〜」を聞くたびに

「いえいえ〜・・・」と言葉尻を濁しつつ「ん〜〜〜っな訳ね〜だろがっ」という言葉を飲み込む私。

仕方なく、そのお客さんが帰えった後で母上に
「血が繋がってないのに、似てるわけね〜じゃんなぁ?」
とツッコミを入れ、母上と二人で笑っているのだけれど。
この時点で既に「美人」と言われたことは、スっ飛んでしまっているのだ。
せっかくの誉め言葉が台無し。

思うにね。
母上が娘だって言わなかったら、そのお客さんもツッコまれなくて済んだのにね。
いや、誉めてくれたんだから、これからもお客さん本人にツッコんだりはしないけどさ。

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