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2002年08月12日(月)
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酔う理由 |
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これは、一種の夏ばてだろうか。 あまり、体調が思わしく無い日々が続いております。 ちっと、最近、飲む回数が多いので控えた方が宜しいかと。
ってことでこり。
確か、土曜日だったかと。 いつもの様に、行きつけの焼き鳥屋へ行った。 どうも最近、大した量を飲んでもいないのに、二日酔いが激しいため、自ら焼酎禁止令を出してビ―ルのみにした。
その店。常連さんばかりなので、殆どの方と顔見知り。 その中で、目のほそーいおっちゃんが、お相手の隣に居た。 おっちゃんって言っても、若く見える。が、多分中学生の娘さんが居るとのことなので、そこそこの年齢かと。 そのおっちゃん。ほんとに、たまにしか会わない。 会わないけれど、会えば何かと話し掛けられるので相手をすることにしている。
タイプ的に言えば、ごく普通の常識的なことを喋るサラリーマンって感じ。 ただ、ひとつだけ気に入らないのは、女は全て焼きもち妬きで、あたしもそうだと勝手に思っているところ。 別に、あたしは、お相手が姉ちゃんの居るバーに行こうが、それがキャバクラだろうが、屁とも思わない。 思わないんだよって教えてるのに、ちょっとでもそういう話が出ると、勝手に人の顔を見て 「あっ!大変だよ。顔が怖くなってきてるよっ」 などと言うから、嫌になる。あたしは、酒の席でのそんな話で怒らねーっつーのっ!
と、まぁ、人のことを勝手に決め付けた風な事を言われるのは、例え無礼講の飲み屋の席でも、あまり好きでは無い。 ついでに、そのおっちゃん。あんまり話が面白くない。 最もらしいことを、如何にも私は世間を知ってます口調で穏やかに喋るのだが、だから何だ?と思う事が多い。
そのおっちゃんが、急にお相手のことについて語り出した。 「彼(お相手のこと)さぁ〜、大体、あっちに居ると酔ってること多いよね」
その店は、L字型のカウンターになっている。 その短い方の端っこには、使われていない小さな手を洗うだけの流し(?)がある。 たまーにだけど、あまり綺麗とは言えないその流しから排水口の臭いがするので、あたしはあまり好きな席では無い。 ただ、その端っこ以外の席に座っていると、大概、人が通る時に椅子をずらさないといけないぐらい狭い店なのだ。 だので、お相手は、その動かなくてすむ端っこ流しの横が好きらしい。
おっちゃん曰く。 お相手は、その流し横に居る時に限って、酔っ払いなのだそうだ。 確かに言われれば、そうなのかもしれない。 ただ、もうひとつ法則があって、あたしと一緒だと大して酔わないっていうのもある。 思うに。気を遣うとか誰かの相手をするとか。そんなことが必要で飲んでいると、ヤツは酔わないのだと思う。
あたしは、おっちゃんのその問い掛けに親切にも答えた。 「ああ、そうかもしれませんねぇ・・・」と。 そして、お相手に 「なんでかね?もしかして、あの排水口からなんか酔う成分でも出てきてるんじゃないの?」 とふざけて聞いてみた。 すると、ヤツは答えた。
「酔え酔えの神様が居るんだよ」
お相手曰く。 その端っこにある流しの排水口からは、白くて小さい神様が出てくるそうな。 そして、お相手に向って 「酔えっ酔えっ」 と言うらしい。だから、酔うのだと。
以前に、友人の旦那が酔うと人が変わることから 「酔っ払いの神様が降りてきちゃったよ」 と言われるという話を聞いた。それ以来、酔うとその旦那は 「俺が酔ってるんじゃない。神様が酔ってるんだ」 と訳の分からない言い訳をするようになったという。 悪いのは神様らしい。 それと、同じような現象が、お相手にも起きてるとのこと。
なるほど。 あたしは、酔ってもそんなにおかしな事にはならないし、「変わりませんね」と人に言われる程度にしかならない。 だから、人が変わっちゃうくらいになる酔っ払いを不思議に思っているのだが、まぁ、単なる言い訳だけど「神様説」は、少しだけあるのかもしれないと思うことにしている。 そう、思った方が、納得しやすいからだ。
しかし。 今回、焼酎を自粛し、生中3杯。おかずも結構食べた。体調も別に悪くはなかった。 だのに、あたしは、帰る頃にはものすごい酔っ払い、気持ちまでなにやら悪くなり、家に着くなり意識を殆ど失いかけた。 飲んだ場所は、酔え酔えの神様も出ない場所だった。 大体、あたしには、神様は降りてこない。 だのに、ものすごい酔った理由を、あたしは断言できる。
おっちゃん。 あんたの話、つまんないよ。
お相手に言われたわ。 お前が相手にするからいけないって。 だから、悪酔いするんだって。 前にも、別のやっぱり、話の詰まんない女の人の相手して お相手ばかりか、一緒に飲んでた別の女性にも言われたわ。 「相手しちゃダメだよ」ってね。 その時も、あたしは、気持ち悪くなるくらいに酔っ払って、家に着くと意識を失った。
今度会ったら教えてあげようか。 酔え酔えの神様よりも、焼酎よりも、おっちゃんの話は強力に効きましたと。
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