気まぐれ雑記帳。
< 2003年02月18日(火) > 裕太の誕生日。(+SS)
今日は裕太の誕生日だなぁってことでとりあえずSS。 普通の日記は後ほど。 不二兄弟ネタ。 らぶらぶってよりはホンワカですよね。 ****** 「あら、そろそろお父さんが帰ってくる時間かしら」 「……」 母さんの声に、僕はなんとなく気を惹かれた。 離れて住んでいても、 繋がっている家族のことを…。 ** 「……裕太に電話してみようかな」 「まーた、だから裕太に嫌がられるんだって」 僕の独り言に、姉さんは笑いながらやめろと言った。 でも…今日は特別な日だから。 「…今日なら、許してもらえるような気がするんだ」 「何よそれ」 不思議そうな顔をする姉さん。 僕は、母さんが電話を終えると同時に入れ替わりで受話器を手にした。 『ピポパポピ』 もう何度か掛けた、この番号。 指が自然と数字を打ち出していく。 繋がってからの暫くの時間、 期待感でドキドキしているような、 ガラにもなく緊張しているような。 『はい、聖ルドルフ学院男子生徒寮です』 そのアナウンスのように慣れた口振りで話す人に対し、 僕は自分の弟の名前を呼んだ。 少々お待ち下さい、の言葉の後、 優に3分は超える間。 ふうと溜め息をついた頃、漸くガタガタという音。 そして…。 『……もしもし』 「あ、裕太?」 電話から聞こえたのは、聞きなれたものの声。 そして、いかにも不機嫌そうな。 「…寝てた?」 『……そうだよ。てめぇに起こされたんだ』 兄さんにてめぇはないだろう、と言うと、 てめぇなんかてめぇで十分だクソ兄貴、だそうだ。 その言葉が、何故か温かく感じられて、僕はふふっと笑ってしまった。 『…なに笑ってやがる』 「あ、ごめんごめん」 『……ったく』 酷くぶっきらぼうな口調だったけど、 声は、優しく聞こえた。 『で、今日はなんの為に掛けてきたんだ? まさかオレを叩き起こすことが目的じゃねぇだろな?』 「ん〜…それも半分かな」 『なにぃ!?』 安眠を妨害されてやはり不機嫌そうだった。 でも、それすらも愛しく感じてしまうのは、何故だろう…。 『…じゃあ残りの半分はなんなんだよ』 「それなんだけど…裕太、今日朝から僕意外と喋った?」 『あん?今起きたばっかだよ!アナウンス掛けられたけど…喋ってはいない』 「良かった」 『?』 受話器の向こうから、不思議そうな顔をしているのが見えるようだ。 電話を通して、表情など伝わりはしないのに。 決して音を出したわけではないのに。 それなのに分かってしまうのは…大きく言うならテレパシー、というやつかな。 「朝一番に、言いたかったからさ」 『…なんだよ、もったいぶらずに言え』 ちょっと苛立ちが隠せなくなってきた様子。 それに対して、僕は笑顔で言った。 「お誕生日おめでとう、裕太」 …そのセリフを述べた後は、暫くの沈黙が続いた。 その沈黙の間も、驚いている表情が目に浮かんだ。 なんとなく、くすりと笑ってしまった。 僕がその驚いた表情を読み取れたように、 向こうには僕の笑顔が浮かんでいるのだろうか? 『…な、なんだよ!それだけの為に電話したのか!!』 「それだけってなんだよ。折角兄さんが弟に愛を込めて…」 『ウルサイっ!! ガチャン…ツーツーツー』 「………」 言葉の途中で受話器を置かれてしまい、 僕は眉を顰めて電話と睨めっこをした。 何となく、向こうの照れたような顔が見えた気がした。 「……ふふっ」 誕生日プレゼントは、成功だったのかな?なんて、 なんとなく笑ってしまった。 心の中で、もう一度呟いた。 ――ハッピーバースデー、裕太。 なんとなく、笑っている顔が、見えた気がした。 ******* 初っ!不二兄弟に挑戦。 ちょっと兄貴攻な気配で。ユタ不二も好きだけど。 もう、裕太ってば可愛子ちゃんだよ!どうしよう、受だ!!(待ちなさい) SSの続編とともに後ほど追記予定。 今日中には無理かな〜; |
●かくれんぼ● |