彼はまだ、仕事を辞めるメドがつかない。

辞めると言い出してからは
もう丸2年は経ってしまったのに
なかなか上手くコトが運ばないと言う。
離れて暮らしている自分としては
彼がどういう状況かなんて
彼の言葉でしか分からないというのに
そういうことに関しては特に口数の少ないヨウ。

それでも、ダメでも、
何かしら自分が動いているという形を
伝えてくれてくれれば
こっちだって安心も出来るのに、
いつもただ「待っている」だけ感が否めなくて
私はイライラばかりが募ってしまう。
そこから大抵ケンカ（というか私が一方的にキレる（汗））に
発展するオチとなるわけで･･･。

ヨウはそれでも何度か
所長に話をしに行っているのだけれど
その度に説得されては撃沈している、
結構弱いヤツなんですよね（苦笑）

･･･正直、会社から見れば
ヨウみたいに無駄な事をガタガタ言わずに
そんな非常な条件で黙々と働く人材は
なかなか手放したくないだろうな、と容易に想像がつく。
惚れた欲目をプラスしても
ヨウが特別仕事が出来る男じゃないと思う。
けど真面目だという事は間違いない。
（勉強とかは意思が弱いのか全然やらないけど（苦笑））

彼もそんなにバカじゃない。
ずっとその会社で、低い待遇で働くこと、
先を見ていない所長の考え方への疑問、他
いろいろなことを考えて辞める事を決めたハズなのに
なかなか行動に移せずにいる彼を、私は分からない。
こうやって辞めれずにいる時間こそが
ある意味無駄にも感じられて。
そして、そんな毎日の繰り返しにウンザリしていた。
会社に何も言い出してくれないヨウの態度にも、
それに対して言い訳も何もしないコトにも。



けれど昨日は本当に
彼的に言おうと思ったタイミングがあって
それをまた逃したという事を悔やんでいる様子で
珍しく電話をしてから一発目にその話をふってきて驚いた。
ええ、いつも出来ればその話は
避けて無かったことにしようとする男だから･･･!

･･･逆に、こっちから聞く前に
話してくれれば、私だって怒ったりイライラしたりしないのに。
そう、ヨウにも伝えているハズなのに。