窓のそと(Diary by 久野那美)
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2005年07月19日(火) |
アイアイは、たしかにおさるさんなんだろうけど・・ |
今月に入ってから。 お芝居のことを考える機会が多いです。 いろんなひとと会ったり話したりメールしたりメールもらったり。
私はあのとき、こんなことを考えていたなあ。とか。 私はあのとき、こんな風に言ったんだったなあ。とか。
だから、あれは、こうで、だからあれはこんなで、 だけど、あれは、ああで、要するにあれはこうで・・・。
頭の中がかたかた、かたかた、しています。
なので、ほんとうはそんなことなどを書きたいのですが、 なぜだかアイアイのうたが頭の中を離れません。 頭の中が複雑になってくると、ひとは、ついついシンプルなものを求めてしまうのでしょうか。私がめんどくさがりなだけでしょうか?
アイアイはおさるさん(の一種)です。 そのサルは、しっぽが長く、南の島に住んでいます。
「アイアイ」はそれだけを謳った唄です。 この1曲によって、アイアイは、チンパンジーよりも、ゴリラよりも有名なおさるさんになっています。
しかし。歌っていると気になってきます。 なんでこんな唄があるんでしょう?
アイアイはおさるさん(の一種)です。 そのサルは、しっぽが長く、南の島に住んでいます。
「だから何?」
という当然の疑問さえ許さない、ものすごく力技な唄です。 歌詞の半分以上が主語の割には述語はおそろしく地味です。 実際のアイアイは、しっぽや島よりも特徴的なところのいっぱいある、とっても個性的なおさるさんなのに、他のたくさんのおさるさんにもありそうな、平凡な特徴だけがくりかえし歌われています。これでは、アイアイが実際にどんなおさるさんなのか誰にもわからないんんじゃないかと思います。
そもそもも、これはいったい。誰が誰に何を伝えたくて創った唄なのか?? 気持ちよく歌っていたら、アイアイの後に「は」とか「が」とかがない のに気がつきました。 もしかしたら、もしかしたら、これは・・・・・・・・・・・・・・・。 もしかしたら、これは、誰かが南の島のアイアイたちに、 「あなたたちはね、おさるさんなんだよ。」 とおしえてあげる歌なのでしょうか?
たしかに、自分がどんな種類のおさるさんなのか、アイアイにはわかりません。おさるさんを分類するのは、おさるさんではないからです。たしかに、しっぽが長いのかどうか、アイアイにはわかりません。自分のしっぽは見えないし、「自分のしっぽはたしかに長いものである」「かつ、ほかのアイアイたちのしっぽもほかのおさるさんに比べて長いのである」ということを知る必要があるからです。南の島にいるアイアイには難しいことです。その、「南の島にいる」ということ自体、南の島から出たことのない(たぶん)アイアイにはわからないだろうと思われます。
そういう諸々を、陽気なメロディとともにアイアイに教えてあげているのはいったい誰なのか?なんのためにそんなことをするのか?そもそも、アイアイはそういうことを知りたがっているのか?
・・・・・・・考えていると、なんだか歌うのがいやになってきました。 シンプルなものって。意外と身近にみつけるのが難しいのですね。
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やっぱり。アイアイについて、第三者に伝えようとしている唄である可能性の方が高いのでしょうか。でも、だとしたら。いったい誰がなんのために????
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