窓のそと(Diary by 久野那美)

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2000年10月10日(火) 山羊の階始まる。  

山羊の階がスタートしました。私の4回目のお芝居。14ヶ月ぶりの稽古です。秋から冬にかけて。いちばん気持のいい季節に芝居の稽古があるのはなんだか贅沢な気持ちです。日記を書くことにしました。20世紀最後の年の秋から冬の記録。
稽古場へ向かう道は高い建物がなくて空が広く見渡せます。
雲を見てるのは好きです。飛行機で14時間、雲だけ見てたことがあります。14時間があっという間に思えるほど。それは楽しい時間でした。(さすがにこのときは自分でも驚きました。帰りの飛行機で見た映画にはすぐ飽きたのに。)
好きなものは何時間みててもたいくつしない。変化の激しいものにはすぐ飽きる。
演劇を創るためには、もしかしたら致命的な性癖なのかもしれません。でも、好きなものは好きなんだから仕方がない。秋は、雲も時間もあんまり動かない。いろんなものがいちばんベストの状態で止まってる。冬が来る瞬間。1回だけ、ばたんと変化する。そういうのが、ぞくぞくするほど好きです。
そして、今回の「ここはどこかの窓のそと」は、そういうお話です。



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