東野圭吾の『手紙』を読んだことがあるだろうか?
『手紙』をちょっと説明すると、強盗殺人を犯した兄を持つ弟が、人生の節目の局面で犯罪者の家族だということで差別を受けてしまうというストーリー。差別を受けるときは、刑務所発の兄からの『手紙』が必ず邪魔をしてしまうことになる。
刑法犯は、刑事罰のほかに、その家族が差別を受けるという社会罰を受けるのだということを教えてくれる。
その『手紙』には、自殺も殺人と同じだ…というくだりがある。
自分自身を殺す殺人である自殺をしてしまうと、家族はもちろん、周囲の人々を傷つけてしまう。家族は、かけがえのない者を失う悲しみを持つのは当然だが、それ以上に、自殺者の家族だという世間からの暗い目が容赦なく注がれ続ける。それは、殺人犯の家族が受ける社会罰と同等のものだという。
<自殺>五輪スキー元代表の待井寛さん 福島の自宅で 15日午前9時40分ごろ、94年のリレハンメル冬季五輪フリースタイルスキー・エアリアルの日本代表、待井寛さん(41)が福島県猪苗代町の自宅のベランダで首をつって死亡しているのを勤務先の「ホテルリステル猪苗代」の同僚が発見した。県警猪苗代署は自殺とみている。プライベートで悩みをかかえていたという。 (毎日新聞)
俺と同年齢のアスリートが亡くなった。
ばかやろうだ。あほうだ。
こいつがオリンピックに出るために、どれだけの人が情熱を注いできたのか。オリンピアンになって、どれだけの人が喜んでくれたのか。
自殺をすることでどれだけの人を悲しませ、苦しませることになるのか。
そんなことさえもわからなかったのか。
そんな人間が、オリンピックに出ていたと思うと、とても悲しい。
さらに、猪苗代は、世界選手権の開催問題があって、とても大変な時期だというのに、本当にこいつは…
福島県や猪苗代やリステルの関係者は、これからさらにつらい日々が続くと思う。
だけど、それは、このばかを死なせてしまった罪でもあるのだから、黙って償っていくほかないんだよ。
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