夕食時に電話が鳴った。電話に出ると、相手が、
『カワカミムラのタブチです。』
と、妙に親しそうに話してくる。
はて、私にタブチさんなる知り合いはいないのだが・・・。
『お米を送っていただきありがとうございます。』
ああ、それじゃあ、きっと爺さんのお客さんなんだな。
「ああ。父がいつもお世話になっています。お米は父が送ったんですね?」
爺さん、親しい人に米を送ることが良くあるから。納得。
『お父さんによろしくお伝えください。ところで、お元気そうですね。』
それでも、相手は、私(!)に対して親しそうに話してくる。タブチ?いったい、誰なんだ?
「あのー。失礼ですけど、どちらにお電話をおかけですか?私でよろしいのでしょうか?タブチさんって、どちらの・・・???」
『カワカミカワムラのタブチですが・・・。(小声で)あれ?間違えたかなぁ。』
『025−XXX−XXXX番ですよね?宅配便の電話番号にかけているんですけど。』
「あのー。私は、タブチさんと知り合いなんでしょうか?思い出せないんですけど・・・。」
『・・・・・・』
相手も沈黙してしまった。
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結局のところ、カワカミムラのタブチさんは、弟の知り合いだった。電話だと、弟も父も私も『声が似ている。』って良く言われるんだよな。
【Referer】
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