奥只見丸山スキー場は、400食限定のお汁粉が余ってしまうほど閑散としていた。この時期、20キロのトンネルを潜り抜け、決して速くないリフトの寂れたスキー場に足を運ぶコアな客の少ないこと。そして、その中で、2本のスキーを履いているのは、レーシング練習をする人や指導員orプライズを目指す基礎上級者ばかりだ。
カービングスキーが現れて10年程度経った。スキーヤーは、斜面を猛スピードで切っていく快感を簡単に手に入れることが出来るようになった。そのこと自体は好ましいことである。しかし・・・。
私は、スキー場にはストックを持っていかない。私が持つのはストックではなく、ポールであったり、フラッグであったり、スコップやドリルである。したがって、ポールセットがしてある場所への移動の際、手にこれらの小道具を持って滑ることになる。そして、斜面を横切らないよう真っ直ぐに、かつ、あまりスピードを出さないよう心掛けて滑る。他のお客さんに迷惑にならないよう気をつけて滑っているつもりである。
突然、「あっ。」と声を上げてしまった。私が滑る前方に左横から現れた彼は、見るからに上級者だった。サロモンのデモモデルのブーツ&スキー、真新しいウェア。そして、妙に腰に力を入れたままのカービングターン。
年末にネットを超えて新雪を滑っていたのも、スノーボーダーではなくてスキーヤーだった。さらにこの日、私の前に横から猛スピードで現れたのもスキーヤー。そして、両者とも30〜50代と思われる大人である。
スキー人口全体が減少している。残ったスキーヤーはコアな人ばかりだろう。でも、実はカスだけなのか?もっと謙虚にならないと、日本に雪が降らなくなるよ。
【過去のエントリー】
【Referer】
|