2003年12月15日(月) |
「なぜサッカーに比べてスキー人口が増えないのか」
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世界中で愛されるスポーツの王様のサッカーと一部山岳地帯で細々と行われている高齢者向けレジャー(アルペンに限定。王侯・貴族の趣味ともいわれているらしい。)であるスキーを並列で論じるという大胆で素敵な議論があった。
私もその大胆な議論に参加したい(♪)ので、ここでは、『小さいときからスキーをすることが可能な積雪地域』に限定して、サッカーとの比較考察をしてみたい。
まず、サッカーとスキーの共通点について 1 主として屋外で行うスポーツ(レジャーw)である。 2 特に脚部のスキルが要求される。 3 30秒〜2分程度の連続した運動によって、陸上競技の中距離競技的な心肺機能が高められる(サッカーも、試合中、ずっと走りっぱなしっていうわけじゃないと思うが。)。 4 運動しながら、次の動作を予測し続けなければならない。他のスポーツでも同じことが言えるが、特にこの二つのスポーツでは動きながら考えることが多いと思う。
ということで、スキーのオフトレとして、サッカーは盛んだ。
次に、サッカーの特徴 1 平坦地で行う。 2 気象条件を選ばない(積雪があると厳しいけど。)。 3 対戦相手が必要である。 4 道具はとりあえずボールがあればいい。
スキーの特徴 1 斜度が必要である。 2 雪の積もる地域に限られる。 3 一人でできる。 4 道具がいろいろ必要で、さらに(効率的な練習のために)、リフトや圧雪車が必要である。
大枠で括ってみた。1、2は自然的条件、3、4は人文的条件。『・・・積雪地域』に限定しているので、ここでは、3、4の人文的条件について考えてみる。
まず3について もちろん、サッカーもスキーもひとりで練習可能だ。ただ、その特性を考えると、サッカーは相手となる人がいるけど、スキーの相手となるのは雪だという根本的な違いがある。もっとも、スキーもポール練習をするとなれば、多勢いないとセッティングが大変だけどね。 私の住む魚沼地域でも、少しずつではあるが、サッカーの芽が育っている。魚沼においては、これまでサッカーより野球の方が親しまれてきた。でも、サッカーができる場所が確保され、地域内の指導者が出てきたことによって、今後、爆発的にサッカー人口が増える予感がする。サッカー人口が増えるかどうかは、9人制の野球との子供の取り合いというところにかかっているといえるが。 これに対して、スキーは、普通の子供(競技人口にカウントしないという意味で。)の場合、冬の体育の延長上のレジャーとしか捉えられていない。競技をやっても、仲間が大きく増えるわけではないので、友達関係からの動機付けで競技人口の増大を期待することはできない。まぁ、私が子供の頃から、そんなに多勢が競技をやっていたわけではないし。
4について きっと、サッカーとスキーの一番の違いなんだろうな。スキーは道具に金が掛かる。そして、競技では、練習に金が掛かる。競技をやる場合、中学生以上になると、1シーズン1本以上いくかも。それだけの金額をスキー競技につぎ込んでもいいという親は少ないはずだ。 サッカー競技で選手一人に道具や練習でこれだけの金額は掛かっていないと思う。サッカーでこんなに掛ければ、結構いい練習環境を求められるのではないだろうか。 魚沼地域の親が子供に言うのは、『スキーだけは辞めてくれ。』『スキーじゃ飯は食えない。』だ。もちろん、スキーで飯を食っている宿やプロスキー教師の家は違うけど。 お金が掛かる競技人口の増大は見込めないというのが実感だ。 また、スキー場としての設備費はサッカー場の比ではない。サッカーもスタジアムのように見せるスポーツとしてであれば、お金が掛かるけど、練習場としては、スキー場ほどの設備投資を必要としないだろうし。 競技以外のスキー人口という点では、魚沼は今も昔も変わらない。学校体育で取り入れられているし、スキー場が子供たちの冬の遊び場であることに変わりがない。
結局、『・・・積雪地域』に限定した場合、昔(私が子供の頃のこと)とスキー人口は変わってないと思う。人口というのは競技人口も一般のスキー人口も。長野は高校男子選手が激減したということだけど、あれも一時期の膨れ上がった状態に比べての話だし。
(サッカーの場合も、サッカーバブルといわれた一時期より日本全国での人口は減っていると聞いた。)
今、スキー業界が苦しいのは、一時期の膨れ上がっていたお客様の嗜好がスキーに向かなくなったという一点に尽きると思う。大人も子供もスキーより面白いことがいっぱいあるから。今は適正規模なんじゃないかと、正直に思う。私の子供の頃に戻った感じだ。スキーを好きな人だけがスキーをやっている。人件費がかかる原因の索道の本数も、昔くらいに戻ればいいんじゃないかな。 あと、サッカーって、ゲームが主目的にあるけど、スキーって本来レジャーだから、ゲームが主目的じゃない。そして、レジャーと捉え始めると、対費用に対する動機付けが難しい。レジャーだから、サッカーより他の選択肢・競争相手が増えてくるし。
最初の言葉を繰返すと、スキーは、一部山岳地帯で細々と行われている高齢者向けレジャー。スポーツの王様、サッカーと比べるのは無理があるなぁ。
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※ 年末年始の予定
12/28〜30 野麦峠。26日から行われる中学生の練習を見に行くつもり。この中学生たちは、12月7日から24日までニセコでトレーニング中。 1/2〜 薬師でトレーニングを開始(雪が心配だけど。ダメなら奥只見かな。)。
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課内忘年会。(●~▽~●)
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