昨夜は、祖父の一番下の弟(83歳)が房総館山から泊まりに来ていた。夕食の時間をやや過ぎてから家へ帰ったら、大叔父の矍鑠とした声が響いていた。大叔父は、6年間、戦争に行って来た生き残りで、戦後は、高校教師をしていた。 正座をして大叔父に挨拶したのだが、そのまま30分くらい話を聞きつづけることになった。理路整然とした話し振りは嫌いではない。背筋を伸ばし世界の政治経済を論じる。 ふと気が付くと、大叔父の話を聞いているのは自分だけだということに気が付いた。父は出かけていた。大叔父を囲むテーブルには、母と弟夫婦と子供、そして近郷に住む叔母が座ってた。だけど、その誰もが大叔父の話を聞き流している。そして、私の妻と子供は、なぜか、別の食卓で食事していた。 どうやら、私の食事も大叔父と同じテーブルには用意されていなかったようだ。大叔父に断って、別の食卓で食事をしていた。
そこへ、弟の奥さんが子供たちの食器を下げて来た。
「一緒に洗うのでそのままにしておいて。」 とうちの妻。
『いいえ。私が(!)洗いますので。ゆっくりテレビ・で・も・見ていてください。』 と嫌味を込めたのか、毒づく弟の奥さん。ピリピリとした空気が立ち込めた。
なんだか、様子が変だなぁ。
・・・結局、母が突然に弟夫婦を夕食に誘ったことによって、テーブルを2箇所にせざるを得なかった。そのことが妻のイライラを誘ったようだ。そして、イライラの矛先は弟の奥さんにも向けられた。
弟の奥さんは、 『突然おじゃましてすみませんでした(!)』 と玄関の扉を叩きつけて帰っていった。
彼女が遠ざかったのを確認した後、私は半開きになった扉を閉めた。
大叔父が座るテーブルでは、酔っ払った弟が大叔父の話も聞かずに自論を延々と弁じる姿があった。
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