労働は、PCとクルマをつくる以外にないとする。 また、A国もJ国も40人ずついるとする。
A国なら、 PCをつくるのに 一台2人 クルマをつくるのに 一台8人 必要 J国なら、 PCをつくるのに 一台4人 クルマをつくるのに 一台10人 必要であるとする。
この場合、A国がPCをつくるにもクルマをつくるにも優位である。これを絶対優位という。
しかし、この場合でも、A国が貿易をまったくせず、自国のみで生産を行うことは、A国の利益にはならない。「どちらの生産ともに絶対優位を持っていたとして、貿易をしたほうが結果的にはどちらの国にとっても得になる。」ことを説明したのが、リカードの「比較生産費説」である。
A国では、全員がPCをつくると、PCが20台、全員がクルマをつくると、クルマが5台出来る。J国では、全員がPCをつくると、PCが10台、全員がクルマをつくると、クルマが4台出来る。
つまり、 A国で、 PC20台(=40÷2)のとき、クルマ0台(=0÷8) PC0台(=0÷2)のとき、クルマ5台(=40÷8) J国で、 PC10台(=40÷4)のとき、クルマ0台(=0÷10) PC0台(=0÷4)のとき、クルマ4台(=40÷10)である。
ここで、A国で、PCに24人、クルマに16人割り当てたとすると、PC12台、クルマ2台という生産になる。J国で、PCに20人、クルマに20人割り当てたとすると、PC5台、クルマ2台という生産になる。
つまり、 A国=PC12台(=24÷2)、クルマ2台(=16÷8) J国=PC5台(=20÷4)、クルマ2台(=20÷10)という結果になる。 しかし、①まず、A国がPCに特化してPC20台つくり、②つぎに、J国がクルマに特化してクルマ4台をつくり、③A国のPC7台とJ国のクルマ2台とを交換すると、
A国=PC13台(=20-7)、クルマ2台(=0+2) J国=PC7台(=0+7)、クルマ2台(=4-2)という結果になる。
すなわち、クルマの台数は、変わりないが、PCの数を増やすことができ、どちらの状態も悪くすることなく、どちらの状態も良くする結果を得ることができる。
以下、比較優位という考え方を使って説明する。
クルマの場合、 A国では、クルマを一台つくると、4台PCをあきらめ、 J国では、クルマを一台つくると、2.5台PCをあきらめる。
8(人/クルマ台数)÷2(人/PC台数)=4(PC台数/1クルマ台数当たり) 10(人/クルマ台数)÷4(人/PC台数)=2.5(PC台数/1クルマ台数当たり)
すなわち、A国のクルマ生産は、J国よりあきらめるものが多いということになる。言い換えると、クルマをつくると、J国より損をしていることになる。
PCの場合、 A国では、PCを一つつくるごとに、0.25台クルマをあきらめ、 J国では、PCを一つつくるごとに、0.4台クルマをあきらめる。
2(人/PC台数)÷8(人/クルマ台数)=0.25(クルマ台数/1PC台数当たり) 4(人/PC台数)÷10(人/クルマ台数)=0.4(クルマ台数/1PC台数当たり)
すなわち、J国のPC生産は、A国よりあきらめるものが多いということになる。言い換えると、PCをつくると、A国より損をしていることになる。
A国は、どちらも絶対優位をもっているが、クルマをつくるには、J国はA国より得ということになる。この「得」こそが「比較優位」の意味である。比較優位は、相手国との生産力を直接比べるのではなく、あきらめる量の割合を比べているのである。
・・・と、自国に有利な商品を海外市場で捌くために、この理論は、考えられたんだそうだ。
【リカードの「比較生産費説」】
>> 病室で妄想する経済理論
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