2002年10月22日(火) |
合成の誤謬(ごびゅう)
|
一人の消費者や一つの財の市場のみを取り上げ分析することを、部分均衡分析という。この部分均衡分析の結果を実際に適用しようとする場合、注意が必要だ。一部分について正しいことが、必ずしも全体について正しいとはいえないからである。
ライブ会場で、前の人の頭が邪魔になっている。立ち上がれば、ステージが良く見える。でも、全員が立ち上がれば、「立ち上がれば、ステージが良く見える。」ということは、もはや正しくない。
ある農作物の収穫量が増えた場合、収入を増やすことを期待する。他の農家の収穫量が一定で市場価格に変化がなければ、期待どおりになるだろう。でも、全ての農家の収穫量が増加すれば、市場価格が下落し、個々の農家の収入は減ってしまう。
ある財を生産する一社が価格を下げたとする。その会社のマーケット・シェアは、増大するだろう。でも、全ての会社が同様に価格を下げれば、シェアに変わりはない。
全体で同じことが起こると、部分で正しいと思われたことが、そのまま全体で成り立つとは限らないのだ。
このように、「部分では正しいことは、全体でも正しい。」と思うことによって起こる誤りは、「合成の誤謬」といわれる。・・・んだそうだ。
【過去のエントリー】
【Referer】
|