SM行為を行うため部屋に入る スイートルームは高級感が漂い 窓一面に広がる夜景も素晴らしい
間髪入れずシャワーを浴びるよう促され 真白なバスローブを着てソファーに腰掛ける 無造作に置かれた縄が目に入り A氏の顔が見慣れぬS男のそれになっていた
・・・どうしよう・・・ きっと私は怯えた表情をしたはず
・・・怖い・・・ 物凄く居心地が悪い
A氏が手を取り私を立たせ 静かにバスローブを剥ぎ取る シュルシュルと音を立てながら 無言で私に縄をかける
『あの・・・っ・・・』 手を止める事なく縛り続ける
『すいません・・あの・・・』 無表情のまま私を無視する
『私、初めてなんです!』 私を見据えてニタリと笑った
『知ってるよ』 そう言って私を締め上げる
縄に縛られ迫り出した乳房は滑稽で 体中巻かれた自分はさぞかし不恰好だろう
満足そうに私を見下ろすA氏の視線を感じ 緊張が高まり過ぎて興奮に繋がらず焦る SMなんかに飛び込むんじゃなかったと後悔する
『うん、綺麗だ』
明かりのついたままの部屋の中 どうして良いか分からず立ち尽くす 呼吸する度に縄が食い込む
『乗れよ』
少し離れた位置にあるガラステーブルを指す その上で四つん這いになれと言う 手足を自由にしたのはそのためだと
キスさえ交わしていない相手の前で 性器を剥き出しにすることに限りなく躊躇する
テーブルの前に位置するソファーにどしりと座り 『どうする?』 厳かにA氏が私に問いかける
NGを出して帰るのは簡単 勇気を出して進むのは自分次第
震える素足にガラステーブルの冷たさを感じ 膝を折って両手をつく 乾いた性器を彼に向け キツク目を閉じカラカラの喉を鳴らした
これが私とSMの出会い
|