あ た し 的 リ ズ ム

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2008年02月21日(木)
人生ってままならない

ドラマを見ているのかと思った。



今日は

「人生かかった試験」だとおおげさに皆に公言してきた

専攻コース分けの試験。

心理コースにいけるのか、教育コースになってしまうのか。



心理コース希望者は毎年多いため、

必ず心理系授業の成績と、コース分け当日の小論文とで

何人か落とされる。

今年は42人中12人落とされるという、かなり厳しい戦いだった。



私はもちろん心理コースで。

今日最終的な希望調査を出したので、変えることだってできたはずだけど

いつも私が進路を選ぶときに信じている、

「直観」と「運命」が、心理コースに行けと言っているので(笑)

あえて戦いに挑むことにした。

っていうか、心理コースに行くためにこの大学入ったんだしね。

落ちたら有無を言わせず一番人気のない教育学コース。

受験のときよりもドキドキしてた。

早まる心臓の音と、汗ばむ手。




小論文は1時間で小問2問あった。

「親子関係におけるアンビバレンスが思春期の自己形成に及ぼす影響について」



「心理ゲームと心理学的な心理検査の異なる点を論じよ」


というもの。




わたしはいつも試験のときそうしている通り、

順番に従って、一問目から書き始めた。

しかし、20分ほど書き続けて、

もうまとめる、というときにふいに論点が全然違うことに

気がついて一度全部消してしまった。


心臓がばくばくいっていた。

頭が真っ白になった。


それでも何とか書きあげて、終了5分前ぐらいに2問とも完答。

大学受験の最後の試験「国語」の150字論述を仕上げたときにも

思ったんだけど、まるで何の根拠もなく

「これは受かった!!!!!!!!!!」と思った。

そのぐらい、手ごたえがあった。





そして試験会場を後にし、同じ試験を受けた友人W(この子も

入学当初から心理コースに行きたい行きたいとずっと言っていて、

心理に行けなかったら退学するとまで言っていた。)

とおひるごはんを買って、試験教室の隣の教室で食べる。




結果発表は1時間後。ありえんくない!?

そんな短い時間で採点できるのかっつーの。


友人Wは超ネガティブな子で、一度はまりだすと抜けられない。

「もうだめや・・・」そればかり言っていた。

試験の答え合わせなんかしなきゃいいのに、

いろんな人に「アンビバレンスのことってなんて書いた?」

などと聞いてまわる。

彼女も、始めの私のように論点を勘違いしている、と私は思ったけど

それは伝えないことにした。

彼女は努力ですべてを手に入れてきた。

私みたいに努力を放棄する人種とは違う。

だから、誰よりも受かってほしい。




けれど、大学というのは厳しいところで、

決して努力だけでは認められないのである。

完全なる実力主義。





結局、結果発表は試験終了後1時間半後に行われた。

心理希望42人だけの場ではなく、

学科の全員92人がいる教室の黒板に、

合格者の名前だけ貼り出される。

まるで拷問。なんてデリカシーのない。




友人Wはますます悲観的になり、

彼氏が心理コース希望の友人Hは自分のことではないのに緊張し、

私は顔が熱くなり、反面握った手は冷えた。



ついに発表。

私たちの座っている席からは見えなかったので、

前列に行くことにした。


友人Wが「一緒に行こう」と言ってくる。

私は一人で見たかったけど仕方ないので一緒に行った。




私の学籍番号は、学科の一番最後なので、即座に

合格者表の一番下を見る。







・・・・・・・・・あった!


よっしゃ!!!!





これでまた私は自分の不合格発表を見ないことに

なってしまうけれども、とりあえずほっとした。

というより、私はやっぱりこのコースに行くべきなんだと確信した。




各自確認した42人が自分の席へ帰っていく中、

私は表を見て震えている友人Wを見つけた。


「どうしたん・・?あった??」


私もその表を見る。




彼女の名前はなかった。




「・・・・・・・・・・・ない。」



そう言った途端、彼女は92名の見ている教壇の上で

泣き崩れてしまった。私の足元にしゃがみこみ、

大声でしゃくりあげる。

私が彼女の背中をさすっているうちに、友人Hもやってきて

一緒に慰め始めた。



そこへやってくる冷徹な大学教員
(いや、それでもまだ人間的な物の言い方だったけど)


「すみませんが、第2希望のコースを決めるために、

 隣の部屋へうつってくれませんかね?お友達もご一緒にお願いします」


私と友人Hは、Wを無理やり立たせて、心理コースに落ちた11人の待つ

隣の部屋にうつった。

私は受かった身。気まずいことしょうがない。

いつもの仲良しメンバーの男の子も一人、そこにいた。



友人Wは軽い過呼吸症候群になっていた。

何度も何度もしゃくりあげ、希望調査用紙を自分の手で書こうとするも

震えて書けないでいる。

私とHはなすすべもなくただ彼女の背中や頭をなでるだけであった。





そのとき気づいた。

友人Wは私の目を一切見ようとしない。

友人Hの目は見るのにも関わらず!




これはショックだった。

今まで合格ばかりの私は、不合格の友達を目の前にしたことも

何度もあるけど、こんな友達はいなかった。

しかも、中学生のときならわかる。


もう大学生だよ?

彼女の年齢は私よりひとつ上の20歳だよ?

他にも落ちて泣いてる子が11人もいるのに、

彼女だけこんな子どもみたいな反応が許されるのだろうか。



私よりずいぶん精神的に大人な友人Hは

「Wは心理への執念がすごかったからね」

という。


しかし、それは誰でも一緒。

みんな口には出さずとも死ぬほど心理コースに行きたかったに

決まってるじゃないか!!!ほら、みんな涙ぐんでるもの。

それを子どもがだだこねるみたいに口に出していたのは

Wだけだよ。

これって許されるの?




そう、私は冷たいこころの持ち主だからこんなことを考えてしまう。






しかし、彼女のこの1年間(特に後半)の努力を

一番そばで見たきたのはこの私である。

後期試験、一緒に死ぬほど勉強した。

心理行きたいね、って何度も語った。

彼女が浪人して、心理コースに行くためにこの大学に入ったのも

知ってる。




ここで落ちてしまって、

彼女の浪人した1年は何だったのか。




それを考えるとさすがに私も涙が出てきた。





でも彼女には当分会えない。

私は受かってしまったのだし、

彼女は私の目を見てくれなかったから。






また時がたてばじっくり話そうと思います。





とりあえず、イニシエーション(通過儀礼)はおわった。

これからがんばろう。



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