薔薇園コアラの秘密日記

2003年01月04日(土) 「アグレッシブ」

 最近、和製英語で「アグレッシブ」という言葉をよく耳にする。
「前向きな、積極的な」というポジティブな意味で使われる。ビジネス上では、特に好んで使われる単語かもしれない。

 英語では、aggressive �/�略的な、攻撃的な、けんか好きな
              ��(米)精力的な、意欲的な、積極的な

とある。この米英語の�△琉嫐�が日本で定着したのであろう。一方、

 ドイツ語では、aggressiv �々況眦�な、好戦的な、挑戦的な
                ��押し付けがましい
                �0汰瓦鯡技襪靴拭⇒靄修福△爐舛磴�

である。どれをとっても、好意的なニュアンスは微塵もない。

 
 この「アグレッシブ」にまつわる小さなエピソードをひとつ。
 
かつてドイツに住んでいた頃、義兄が出張の足を伸ばして、
片田舎の我が家まで訪ねてくれた。久しぶりの対面に話に花が咲いて、
深夜まで話し込んだ。私も、今までの近況を聞いてもらいたいと、
こちらでの奮闘ぶりを話して聞かせた。そこで義兄がポツリ。

「祐子ちゃんは、アグレッシブだねぇ」

 私は、思わず言葉を失ってしまった。
 義兄は営業の第一線で働く人当たりのいいビジネスマンだ。義妹への最高のほめ言葉として、その単語を使ったのだと思われる。
 が、目下ドイツに住んでいて、とっさにドイツ語の意味しか頭に浮かばない身にしてみれば、aggressivとは、普段よく使うことはあっても、決して相手に面と向かって発するような単語ではないのだ。
 お酒が入って饒舌になって、お調子よく何かぺらぺらと余計なことでも話したであろうか? 親戚中で異端児と思われるだろうか? と何だか気になって心配で眠れなくなった。
 一旦ベットから抜け出して、ドイツ語の辞書をひっくり返し、改めて目に飛び込んできたのは上記の意味。やはりすべてネガティブな表現である。
 私は、今日の自分の奔放な言動や、日ごろの無鉄砲な素行を脳裏に描きながらも何とか眠りについた。

 翌朝、どうしても腑に落ちない私は、改めてその「アグレッシブ」という言葉の意味を、義兄に身内のよしみで聞いてみた。何のことはない、ドイツ語の「aggressiv」とはニュアンスが違うとわかり、一同、朝っぱらから大笑い、ということがあった。
 

 ドイツ語を日常的に話さなくなって、二年近くになる。
 ドイツ語で「aggressiv」という単語を日ごろ使わなくなったせいもあるけど、日本語のほうを耳にしても、すぐさま攻撃的な・・・とは思いつかなくなった。
 ましてや今では、この「アグレッシブな」という表現を耳にするたび、その物事や状況を前向きな姿勢で捉えている自分の視点に気がつく。
 最近の私のお気に入りの表現の一つでもある。
 
 
 
 今年の私は、アグレッシブに生きる。30代のラストスパートとして。


 < 過去  INDEX  未来 >


祐子 [MAIL]

My追加