夜中。 仕事帰りの細い道。 車はよく通る道。
ど真ん中にカブト虫みたいなものが落ちてた。 落ちてたの。カブト虫みたいなのが。
自転車で通り過ぎてから、 一呼吸置いて振り返った。
"え?君・・カブト虫・・・だよね?"
近寄るとやはりカブト虫。 車来たら轢かれちゃうかな。
"君、潰されちゃうよ?"
勇気を出して、小さい方のツノをつまんで持ち上げた。
カブト虫って爪痛いんだよね。 小さい方のツノをつまむと爪届かないから大丈夫。
周りを見回したけど背の低い木や草しかない。 幹が無い。
カブト虫つまんだまま再度自転車にまたがり、 少し走って見つけた木につかまらせた。
記念に写メ撮ってみた。 へったくそな写メ撮れた。
一人でブツブツ喋ってた僕は、はたから見たら変な人。
何だか興奮して、 親友に電話した。
(夜中にこんなくだらない話を、穏やかに聞いてくれるありがたい親友です・笑)
僕 "こーでこーであーでね!こうだったんだよ?すごくね?"
親友 "すごいねー夏だねー、ケータは優しいねー" ↑僕を甘やかす親友
なんて会話しながら走ってた。 次は太い道路。
"バツンッ!! ビタッ"
反対車線のデカイ道路標識、
に、ぶつかって、道路に何か落ちた。
まさかの・・・
カブト虫。
"また落ちてる!!"
電話しながら道路を渡り、またつまみ上げ、走り出す。
"あわわわわ・・!!"
適当な木が無い。
あわわわわ
今度のやつは超元気で、暴れる。
ちょっとしたら羽ばたき始めたので、思わず放り投げる。
しかしまた反対車線のど真ん中に落ちて、ひっくり返りバタバタ・・
ひー
丁度車が来ない。
足でひっくり返し、再度つまんで走り出す。
' ギギィー' カブト虫が鳴く。
ひぃぃいぃ
やっと木が見つかりつかまらせる。
はい、おしまい。
何がありがたいって、 僕のくだらない話な付き合ってくれた上に、通話中にまたカブト虫ひろって実況中継する僕の電話を、 切らずに穏やかに聞いてくれる親友ね。
笑
拾ったのはどっちもオスだったから、 頑張ってメスに出会って子孫残せよ! と思った。
じゃ、おやすみ!
|