愛玩人形の抱き方+
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ずるい。
私はあなたが好きで、あなたは私を好きと言い、私はあなたの隣にいてあなたは私を撫でてくれるけれど。 それなのにどうしようもなく口惜しいのは、私が想うほどあなたが想っていないから。 私のほうがずっと、あなたを好き。そんな事実に満足できるような回路は持ち合わせていない。私が願うのは、私をもっと好いて構って抱き締めて。もし願い事を一つだけ、なら、あなたの幸せはきっと願えない。会いたいのはいつも私で、帰りたくないのもいつも私。ねえ私の言う好きの量とあなたの言う好きの量ってきっとすごく違うんでしょう。私が持つこの思いは愛じゃなくて執着なんでしょう。 同じ強さで想い合えれば、こんなにも泣かなくて済むのに。
あなたが悪いわけじゃない。非があるわけじゃない。そんなの分かってる。 分かってるから責められずに、けれど人を愛すエネルギーは大き過ぎて持て余してもどかしくて、一人で泣いた。世界には沢山の人間がいて地に溢れていて、けれど私が泣いた事は、誰も知らない。そして例えあなたが知っても、あなたはただ、困ったように笑って宥め諭すだけでしょう。知ってる。
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