2008年10月26日(日)  上野動物園で芸を仕入れる

年間パスポートを持っている上野動物園へ。4回行けば元が取れる計算で、たしか今回が4回目。入場券を買って入ると長居しないと損した気になるけれど、パスポートだと、ゾウだけ見に行く、ウサギだけ見に行く、と気軽にふらっと訪ねられるのがいい。

今日のお目当てはワニ。今まで場所を見落としていた爬虫類館が池之端門を入ったすぐ脇にあると知り、娘のたまが好きなワニを見せてあげようと思い立った。アクリルプールの縁の上までジャンプすることもあるらしいが、今日は水底に体を押しつけたまま動かず、ワニなのか流木なのかわからなかった。

ワニが外れた代わりに、ゾウが大当たりで、身づくろいをするところを初めて見られた。長い柄のついたブラシのようなもので飼育員さんがゴシゴシ磨き、体についた土を払うのだが、ブラシでトントンと横腹をノックされたのを合図に、ゾウは足をぐにゃりと曲げてゴロリと巨体を横たえる。ズドーンと転がるのではなく、その場に静かに横になるなめらかな動き。ブラシでゴシゴシされる間は気持ち良さそうにしていて、終わるとまたノックを合図に足を踏ん張って立ち上がる。4000キロを越える塊が立ったり寝たり。それだけでも目が離せないのだけど、さらにお楽しみは続き、後ろ足をノックされると、片足ずつ上げて、足の裏をゴシゴシされる。その動きがまた何ともチャーミング。きれいになったところで、よくできましたとバナナのごほうび。バナナを差し出されると、長い鼻をひょいと持ち上げ、バナナにかぶりつく。鼻で食べるイメージがあったけれど、口で食べるのか。

一部始終を食い入るように見ていたたまは、家に帰るなり、「たまも ゾウさん やる!」。「ゾウさん、ゴシゴシしますよ」とわたしが呼びかけると、じゅうたんにゴロン。手でゴシゴシしてやり、「ゾウさん、きれいになりましたよ」と言うと、立ち上がる。「ゾウさん、あんよゴシゴシしますよ」と言うと、片足ずつ上げてゴシゴシ。「じゃあ最後にバナナ食べましょう。なんちゃって」と言うと、長い鼻に見立てた片手をひょいと上げて「なんちゃって」のポーズをしながらバナナを食べる真似。

今日は他に片足を上げてポーズする一発芸「フラミンゴ」を仕入れた。たまは持ち芸「バレリーナ」との合わせワザを思いつき、伸ばした足を上げた後に曲げて持ち上げ、「バレリーナ〜、フラミンゴ〜」。こうやったらもっと受けるのではと工夫する芸人根性は大したものだけど、人前に出ると固まってしまい、宝の持ちぐされ。舞台度胸がつけばコメディエンヌの才能が花開くのでは、と親バカなことを考えている。

2007年10月26日(金)  愛知工業大学で「つなげる」出前講義
2004年10月26日(火)  ジュアールティー1年分

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