午前中、保育園で「お祝い会」が開かれる。卒園式と進級祝いにおゆうぎ会を足したようなイベントで、2時間にわたって園児(そして先生!)たちの熱演がくりひろげられた。単に歌やお遊戯を披露するのではなく、ストーリーに仕立ての中に歌や踊りが組み込まれている。さらに、衣装も小道具も舞台道具も手作り。秋の運動会でも「ここまでやるの!」と驚いたけれど、凝りに凝った内容で、「先生方大変だったろうなあ」と頭が下がる。
娘のたまがいる0歳児クラスは、ムーミン谷の住人たちという設定。「ムーミン谷の○○さん」と名前を呼ばれて一人ずつ返事をするところから始まる。入園児0歳だった10人は全員1歳になり、歩くようになった。まだこんなに幼く、同じように毎日保育園で過ごしているのに、すでに一人一人個性が出ているのが面白い。音楽がかかったときの反応は、まさに十人十色。普段はノリノリで踊るたまは、いつもと違う空気に怖気づいたのか、すみっこで指をチュパチュパ。他人事のように眺めていたが、大好きなゾウさんが登場すると、くわえていた指でゾウを指差し、「ぞぞ、ぞぞ!」と大興奮。たちまち主役に躍り出て、「ゾウさん」をたどたどしく歌い踊り始めた。「どんぐりコロコロ」では床にごろんと転がってコロコロ。一人また一人と床に横になって転がりだすさまは集団催眠術のよう。
学年がひとつ大きくなるごとに、できることがふえていく。返事の声もダンスも元気良くなる。保育園では振付をそろえさせようということはしなくて、みんな思い思いにのびのび踊る。いちばん成長を感じたのは、2歳児クラスと3歳児クラスの差。保育士さんの言葉への反応の早いこと。手話まじりの歌も堂々たるもので、後輩たちが憧れの視線を注いで見ていた。あと3年でわが娘もあんなことができるようになるのか。
園長先生からの贈る言葉は「人の目を見て話をしっかり聞きましょう」。日頃から「座ってられるということは、話を聞いてられるということ」「話を聞ける子は話ができる」などと「聞く」ことの大切さを説いている先生らしいお話。実際、今日の園児たちは、とても聞き上手だった。演じている時間よりも見ている時間のほうがずっと長かったのだけれど、ぐずる声でプログラムが邪魔されることがなかったことに何より感心した。
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