2007年08月20日(月)  マタニティオレンジ161 はじめての返品

助産院に入院中、無事出産を終えて、半年一年先のことを考えるどころではなかったわたしに、「保育園に預けるべし!」と熱心にすすめてくれたのは、見舞いに来た二人の先輩ママだった。「仕事のときは自分たちが見るってじいじばあばが言うかもしれないし」とわたしが言うと、「じいじばあばの出番なんか、いくらだってあるわよ。保育園に預けたって、熱やら風邪やらでしょっちゅう返品されるんだから」。発熱なんかで保育園に預けている子どもが返されることを「返品」と呼ぶ言い方があることを、そのとき知った。

0歳児はとくに抵抗力が弱いので、すぐに高熱が出るし、伝染性の病気にもかかりやすい。「最初のうちは病気をもらいに行くようなもので、何しに預けてるんだかわからないよ」と大阪に住む妹・純子にも言われた。ひと月のうち2、3日ぐらいは返される覚悟でいたのだけど、幸いうちのたまは体が丈夫なようで、前夜に熱を出しても翌朝には下がっていたり、ちょっと熱めかなと思いつつ預けたら7度台後半でセーフ(赤ちゃんは平熱が高いので、8度を超えるとアウトとなる)だったり、綱渡りながらも返品ゼロ記録を更新していたのだけれど、ついに今日、その記録が止まってしまった。「たまちゃん、8度1分です」と夕方に保育園から電話があり、迎えに行くと、おでこに冷えピタシートを貼られて待っていた。朝方からやや熱っぽく、お預け時の検温では7度8分だったのだけど、昼過ぎにいったん下がり、ほっとしていたら、また上がったのだと言う。

コンコンと咳も出ているので、保育園の帰りに小児科に連れて行くと、「のどが腫れていますし、夏風邪でしょう」との診断。熱はまだあまり高くないので、咳止めの薬だけ出してもらう。なんとなく小さいうちから薬の力に頼ると、体の自然治癒力がなまけてしまいそうで、いつも少なめに出してもらうようにしている。

振り返ってみると、お盆の間からひっきりなしに人が家に来たり、人の家に行ったりが続いていた。大人のペースに巻き込まれて、疲れが出てしまったのかもしれない。反省しつつ、ゆっくり体を休めることに。熱があっても子どもは元気なのだけど、いつもよりは甘えたになっていて、片時たりとも床に下ろさせてくれないので、トイレにも抱っこで連れて行く。植物を挿した小瓶をなぎ倒したり、ウォッシュレットのボタンを押したり、壁にピンナップしてある自分の写真を指差して興奮したり、トイレワンダーランド滞在中は楽しげにしてくれている。風邪の間だけの後追いならいいのだけれど、「一人でトイレにも行けない時代」に突入してしまったとしたら困ったものだ。

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