2007年07月17日(火)  マタニティオレンジ147 働くお母さんの綱渡り

3連休の3日めの昨日、ごきげんで目覚め、家でのんびり遊んでいるたまに、いつもと変わった様子は見られなかった。が、昼ごはんを終えてしばらくした頃、「ちょっと、たまが熱い!」とダンナが叫んだ。抱っこすると確かに熱い。汗ばんだ体から湯気が立ち上るようで、熱を測ると8度9分ある。さっきまで何ともなかったのに、どうしたのだろう。夏風邪だろうか。こんなとき、ダンナはたまのことだけ心配するが、わたしは「明日の打ち合わせどうしよう」と仕事のやりくりにも頭を悩ませる。朝までに熱が下がらなかったら保育園に預けられないが、明日はどうしても外せない打ち合わせがある。近くの小児科の病児保育に申し込もうか。でも、前も前日に電話したら6人待ちと言われたし、いっぱいかもしれない。それに、お迎え時間は保育園より30分早いから、ただでさえ時間が足りない打ち合わせをさらに早めに切り上げなくてはならなくなる……。ダンナの実家に電話し、事情を話すと、ダンナの父が仕事を休んで見てくれると言う。「大切なのは、たまだからね」と言ってくださり、ありがたいが、熱が下がったら、仕事を休んでいただく厚意が無駄になってしまうのは心苦しい。そんなこんなを葛藤するのは、どうしてダンナでなくて妻に偏ってしまうのだろう……などと悶々としているとわたしの熱まで上がりそうになる。

水分をたっぷり取らせて汗をかかせ、こまめに着替えさせても、熱は下がらない。体調が悪いと、機嫌も悪く、激しく泣き続ける。夕食前、大病院の休日外来に電話し、タクシーで駆けつけると、待合室に着く頃には泣き止み、笑顔さえ見せている。5月の浣腸騒ぎのときと同じパターンだ。心なしかおでこもひんやりしている気がする。「これで熱まで下がってたら示しがつかないよ」と、さっきまで解熱に励んでいたくせに、勝手なことを思ってしまう。体温を測ると、あいかわらず8度を超えていて、ほっとするやらがっかりするやら。診断の結果、熱の原因は風邪とも夏ばてとも判断がつかず、まだかかっていない突発(突発性発疹)の可能性もあると言われ、解熱用の頓服だけ出してもらうことに。診察の間、先生は患者よりもパソコンに向きあっている時間のほうが長く、カタカタとカルテを打ち込むのに忙しい。生身のお医者さんではなく、コンピュータに診断されたような不思議な気持ちになる。

解熱剤は9度以上の熱が出たときにお使いください、ウィルスなどをやっつけるために体が戦っているから熱が出るので、その働きをおさえてしまうことになります、と薬剤師さん。その言葉を守り、祈るような気持ちで一晩様子を見ると、今朝、熱は6度台にまで下がっていた。結局原因はわからなかったけれど、もしかしたら大阪帰りの疲れが出たのかもしれない。戦いを終えてさわやかな朝を迎えたたまは無事保育園にお預けできた。仕事を休んでくれたダンナ父は、熱が下がったことを喜んでくれつつも、たまと一日過ごせなくなったことは残念そうだった。迷ったけれど、看護師さんのいる保育園で安静にしているほうがいいと判断したと伝えると、「たまにとって、それが一番いいことなんだね」と念を押された。自分の都合を優先させただけではないか、という後ろめたさもあったけれど、定刻に迎えに行ったときのたまの元気そうな顔を見て、これでよかったのだと思えた。結果オーライではあったけれど、子どもを預けて働くというのは綱渡りだ。融通がききやすいフリーランスでもこうなのだから、会社勤めの人はもっと大変な思いをしてやりくりしているのだろう。

2005年07月17日(日)  阿波踊りデビュー
2004年07月17日(土)  東京ディズニーシー『ブラヴィッシーモ!』
2000年07月17日(月)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)

<<<前の日記  次の日記>>>