昭和ひとけた生まれの高田さんは、今井雅子ファン長老クラスの一人。ときどき和紙にしたためた丁寧なお便りをよこしてくださる。あじわいのある筆文字に独学の水彩画が添えられて、そのまま額に飾りたくなるような風情がある。味わいのある文体も楽しみで、読んでいると、にこにこ、くすくすと笑顔や笑いを引き出される。
今回のお便りは、高田さんのお宅でわたしを囲んで集まりましょう、というお誘い。高田さんを引き合わせてくださった同級生の余語先生や二人の共通のお友だち四、五人と応接間で語らう会をこれまでにも何度か持った。皆さん、あと数年で80になる。「気楽なパーティであの世行き乗客専用車にまぎれ込んだ面白味もあるかもしれません」。こういうとぼけた表現が便箋のあちこちに見え隠れする。風邪を引いてなかなか治らなかったときの心境を「お棺の中で寝ている様」と綴り、体調が回復したのでまた新たな絵の制作に取りかかろうと思っているが、「『とし』ですので、まあ子ぎつねへレンがミルクをのむ様な気持で自然に自分が楽しめれば」と語る。
高田さんには、生まれて二か月ほどのときに家に遊びに来てもらい、娘のたまにも会ってもらっている。そのときの印象を「小生はただ物珍らしそうにイエス様とお合いした様な気持ちで赤ちゃんを眺めるのみ」と振り返り、「次にお目にかかる時はこのスクスク組とシワシワ組のかわりように驚き世の諸行無常を嘆くことを必ずと覚悟致しております」と手紙は結ばれている。
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