■渋谷シネセゾンにて『イン・ザ・プール』を観る。『ジェニファ 涙石の恋』でご一緒したプロデューサーの橋本直樹さん、佐々木亜希子さんが手がけた作品。奥田英朗さんの原作は読んでいないが、月刊シナリオに掲載された脚本が軽妙で楽しめたので興味をそそられた。平日の昼間にしては客席はほどよく埋まっていて、観客のボリューム以上の笑い声が起こる。百人しか入っていないのに二百人入っていると錯覚させるような反応の良さ。松尾スズキ扮する伊良部医師のとぼけ具合が脱力感を誘い、観客はつい肩の力を抜いてしまう。その結果、劇中に仕掛けられた笑いがことごとくツボにはまる図式。病んでるオダギリジョー、田辺誠一、市川実和子らもいい味で、真面目にやるほど笑いを誘う。脚本も手がけた三木聡監督の次回作は、『亀は意外と早く泳ぐ』。予告編は、どこかずれてる空気が漂っていた。こちらもプロデューサーは佐々木亜希子さん。
1979年05月30日(水) 4年2組日記 男子べんじょ