■去年の11月ぶりに大阪へ。午前中に着いて、空港バスで梅田に出て、谷町線で東梅田から中崎町へ。この界隈にリノベーションカフェが集中しているという噂を聞いて、前から気になっていた。ふらふら歩いていると、古い民家の味をそのまま生かしたカフェやギャラリーがぽつぽつと見つけてもらうのを待っているように佇んでいて面白い。『パラボラ』という店に入る。昭和フューチャーな雰囲気の一階にはテーブルが2つ。2階にはテーブルが3つはあるらしい。3組の客が階段を上がっていった。食事は手作りの丼とレトルトのスープ。体にいいんだか悪いんだか。食後のほうじ茶は見た目もかわいく、おいしかった。東京は一人でお茶をする人も多いけど、わたしが居合わせたときに来ていた4組のお客さんは、皆二人連れ。アウェイの街での一人カフェは、わびしいものがあった。
■今回の帰省の目的のひとつが、先月生まれた義弟マサルとノリちゃん夫婦の長男君との対面。朝から京都の美術館に行ってきた堺の母カツコはマサル夫妻のファンなので、二人でお宅訪問。応援団の後輩でもあるマサルがつけた名前は、大きな旗と書いて、大旗(はるき)。学ラン着た青春時代を予約されたようなものだが、「お宮参りに学ランを着せる案は、嫁に却下されました」。当たり前だ。赤ちゃんのくせしてずいぶん整った顔をしている大旗くん、女泣かせなモテモテ君になりそう。でも、げっぷをするときの真っ赤な顔は、酔ったときの義父にそっくり。血がつながっているって、そういうことなんだなあ。
■夕方からはアクティ大阪27階の創作和食『五風』で食事会。もう一人の甥っ子、妹じゅんこの長男・駿介君は、待ち合わせの展望ロビーの窓にはりつき、大阪駅に発着する電車を指差しては名前を言っていく。鉄道とお花が好きというおちゃめな3歳児。わたしのことは人見知りするのかずっと無視していたが、電車の写真の使用済みパスネットをあげた途端、「ましゃこちゃん」と甘え出した。ゲンキンなところは妹ゆずり。父イマセン、母、じゅんこ一家、弟よっくんでテーブルを囲む。ようやく就職が決まり、定時制高校の数学教師となったよっくんは、謎だらけの理系男。なぜかわたしの電話には出ず、住所も教えてくれない。メールを出しても返信はないが、『昭和八十年のラヂオ少年』の取材で「タイムスリップについて教えて」と書いたら、専門的な回答だけが返ってきた。義弟のほうがかわいげがある。もう一人の義弟、じゅんこの旦那のケンちゃんは少し前まで出向で警察に行っていたそう。「警察ってどんなとこ?」と聞くと、「だんだん居心地がよくなる」とのこと。組織の性格からか最初は入り込みにくいけれど、気心が知れ、勝手がわかってくると面白いところらしい。■食事を終えると、展望ロビーでテーブルマジックをやっていた。じゅんこ一家とよっくんは先に帰り、父、母、わたしは残って見る。食いつくように見ていた父は、帰り道、「わからんなー。どないなってんやろなー」を連発していた。