2004年10月22日(金)  クリオネプロデュース『バット男』

■いつもわたしに刺激と情報をくれるマルチアンテナ搭載の医師・余語先生より「『バット男』なるお芝居がございますが、いかがでしょう」とお誘い。プロデュースしているクリオネは芸能プロダクションで、先日観た『SWAP』に出演していた野口かおるさん(劇団は双数姉妹)のマネージメントもしているよう。サイトを見てみると、『彼女たちの獣医学入門』に大地役で出演していた水橋研二さんが主演。ちょうど水橋さん主演の映画『くりいむレモン』の脚本を読んだとこだったので、タイムリー。タイトルのバット男は「金属バットを持ち歩いているが、それを振るうことなく、それを持っているせいでボコボコにされる浮浪者」で、ネット上の「バット男」のスレッドでは勝手な噂や憶測がひとり歩きしている。水橋さん演じる会社員は、バット男を「世界最弱者」と位置づけ、彼の無抵抗を歯がゆく見ている存在。その会社員と同僚との「現在」と高校時代の同級生カップルとの「過去」が交錯する物語。ラスト近く、天井から何十本ものバットがぶらさがっている場面は、見たことない絵で面白かった。そのバットが一斉に舞台に落ちてくるという演出にも度肝を抜かれる。余語先生は「難しゅうございましたねえ。結局どういう話なのでしょうか」という感想。「バットを振るうことなく、バットに振り回される人間の弱さ、脆さを描いていると思われます」とわたしの感想を述べる。■水橋さんはじめ出演者は豪華で達者。デビュー当時に「この子、すごくかわいい!」と衝撃を受けた持田真樹さん、電波少年の朋友企画でチューヤンと貧乏旅行しているのを見て印象に残っていた伊藤高史さんが会社員の同級生カップル役で登場。同じく同級生役の東虎之丞(ひがしとらのじょう)さんも、ひょうひょうとしたいい味を出していた。目が離せなかったのは、同僚役のカリカ家城さんの怪演。劇団乙女少年団(オトメメン)という一人だけの劇団を主宰し、毎回ゲストを招いて公演しているそう。浮浪者役の石川浩司さんはサイトもユニーク。会社員の同僚役、新井友香さん(ハイレグタワー所属)のコメディエンヌぶり、上司役の木村靖司(劇団ラッパ屋)さんの存在感も光る。客席に『パコダテ人』函館スクープ編集長役の木下ほうかさんの姿を見つけて、終演後に挨拶する。ほうかさんといえば、『sWing maN』(前田哲監督)。金属バットつながり?
■新宿御苑駅からシアターサンモールへ向かう途中で目をつけておいた台湾料理『呉(ウー)さんの厨房』に入ると、これがヒット。「蛸とアボカドとなすのマリネ」「まこも茸の炒め物」「中華粥」など、たっぷり野菜と本格的な味付けに大満足。デザートの杏仁豆腐、プリン(豆花?)、ゴマ団子までぺロリ。おまけに値段はリーズナブル。次にシアターサンモールに来るときも、ここに来るぞ。ふと店を出て行く人の横顔を見ると、水橋さん。隣のテーブルにいたらしい。ニアミス。

2002年10月22日(火)  大阪では5人に1人が自転車に『さすべえ』!

<<<前の日記  次の日記>>>