シネマアートン下北沢にて、友人の鈴木薫主演の短編『マチコのかたち』を観る。彼女とは一昨年、MONSTER FILMSのパーティーで意気投合し、一年ぶりに去年再会したのだけど、まだ演技を見たことがなかった。
白川幸司監督の作品を観るのも、はじめて。2002年制作の長編『眠る右手を』が、香港国際映画祭、バンクーバー国際映画祭などで話題になり、2003年キネマ旬報ベストの第81位にランクインしたとか。上映前に過去の作品紹介を読んでいたら、「ネズミを焼く」などわたしの苦手な過激表現があり、不安になってしまったが、今回の作品には目をそむけたくなるようなシーンはなく、最後まで楽しめた。
かなり不思議で濃い世界ではあったけれど、それが白川監督のカラーらしい。きれいな顔して面白いことやる鈴木薫のコメディエンヌぶりが観られて、満足。ダンスシーンと美男子ウェイタートリオはもう少し観たかった。
上映後、マチコ役の鈴木薫、マダム白金役のエミ・エレオノーラ、白川監督のトークがあった。会場からの質問で「制作費」を聞かれた監督は、「いくらだと思います?」と聞き返し、「百万」「もっと下」「20万」「ちょっと上」というやりとりで、50万前後かなあと予想させた。その予算でこのクオリティを実現しているのはすごいことだし、この人がお金をかけたときにどんなものを創り出すのか、興味深い。