■本屋でめあての本を探すためにひたすらタイトルだけを見る、ということはよくやるけど、ひたすら値段を見るという経験はしたことがなかった。4月に刊行する『ブレーン・ストーミング・ティーン(Brain Storming Teens)』に値段をつけるにあたり、相場を調べに行ったのだが、「いやー、実にまちまちですね」というのが結論。著者の名前も本も売れていて装丁もリッパな本と、名前を知らない著者の薄っぺらい本が同じ値段だったり。「さて、これはいくらでしょう?」と一人クイズをして正解(値段)を見る遊びもなかなか面白い。わたしの本は230ページぐらいのソフトカバー。同じような体裁の本を探すと、1000円から1600円ぐらいの開きがあった。出版社の文芸社がページ数から割り出した価格は1400円だったけど、去年読んで感動した『対話篇』(金城一紀 講談社)と同じというのは申し訳ない。主人公と同世代の高校生や就職活動の大学生に読んでもらうには、1000円をあまり大きくはみ出さないほうがいい。じゃあ2月生まれということでラッキーナンバーの2をからめて1200円でどうだ!『蛇にピアス』(金原ひとみ 集英社)と同じなのはおこがましいけれど、ページ数は勝っている。しかし、『蹴りたい背中』(綿矢りさ 河出書房新社)は1000円。芥川賞作品より高くていいのだろうか。でも、青春小説と広告業界実用書を兼ねて二度おいしいってことで……と勝手に妥当性をつけ、出版社に打診すると、「ご意向を尊重させていただきます」と返事。こんな感じで、いまいまさこ(著名はひらがなで行きます)初小説の価格は1200円に決定。
2003年02月12日(水) ミヤケマイ個展 MAI MIYAKE EXHIBITION2003