■新聞記事の切抜きをしていたら、「色!」が目に飛び込んできた。「お花畑のようにきれいな色のニット」という記事の形容がぴったりな、色いっぱいの服。「ララージララージ」というはじめて聞くファッションブランドの紹介だった。アトリエは南青山にあるというので、のぞいてみたくなり、早速サイト検索。電話番号が載っているページを見つけて電話すると、「お店ではないんですけど、よろしければどうぞ」と言ってもらい、押しかけた。応対してくれたのは、新聞に写真入りで紹介されていたデザイナーの宮下恵子さん。記事の写真よりずっと可愛らしい方だった。春夏ものはほとんどなく、秋冬もの中心。しかも量産体制ではないということで数は少なく、ほとんどが一点もの。「このスカートは折り紙をイメージしたんです」「これはイタリアの毛糸です。日本にはない色ですね」「(輪っかがいっぱい連なった秋冬もののスカートを指して)手作業で切ったので大変でした」「このニットは見た目よりずっと手が込んでいるんです」……と一着ごとのストーリーを語ってくれ、手づくりのファッションショーの写真も丁寧な解説つきで見せてくれる。デザイナー独り占め、なんという贅沢。夏はこれからというのに気が早いけれど、毛糸の玉を絡めたチェーンのアクセサリーに一目惚れし、「これください」。首に巻いたり、腕に巻いたり、腰に巻くのもいいかも。冬の楽しみがひとつできた。■「ララージララージ」という店名は宮下さんの好きなミュージシャンの名にちなむらしい(記事の受け売り)が、宮下さんいわく「わかりにくい名前だって言われます」とのこと。「一度聞いたら忘れられない印象的な名前ですよ。それに、ラ行の入った名前はヒットするんです」と幼なじみの太郎君の説(ヒット作品にはラ行あり)を伝えておいた。アトリエは骨董通りの小原流会館とVERSUSの間を東に入って1本目の小道を右に入った左手3軒目のビルの1階。お邪魔したい方は事前にお電話(03-5485-2626)を。■お店からの帰り道、ふと気づいた。これまでに関わった映画「パコダテ人」「風の絨毯」「ジェニファ」どれもに「色とりどりの糸」が関わっていることに。ジェニファに登場する女の子、郁代はミシンが得意という設定で、母親の着ていた古着をリメイクするシーンが出てくる。もうひとつ気づいたのは、わたしがとくに好きなこと、「服屋さんめぐり」「カフェめぐり」「ガーデニング」「人間ウォッチング」に共通するのは、「色」だということ。服もデザートも花も野菜も色とりどり。人も色とりどり。いろんな色があるから人生は楽しいんだ、とあらためて思う。
◆いまいまさこカフェ fashion gallery
2002年07月09日(火) マジェスティック